試走のたびに変わる印象

ことゴルフRに対しては、正直に言うとこれ(ステアリングレスポンス)が鈍い。もともとゴルフRは超ハイグリップタイヤを履きこなすだけのキャパシティーがサスペンションに与えられており、ダンパー特性はこれを柔軟に処理するために、極めてまったりとしている。そしてFK510も前述した通りの穏やかな特性を持っているため、互いが主導権を譲り合うかのように初期応答性がダルいのだ。そしてステアリングをさらに切り込むような場面になると、タイヤのグリップがぐっと立ち上がってくる。

きっと欧州でFK510の評価が高いのは、そのスピードレンジが今回の試乗よりはるかに高く、タイヤに効果的な荷重をかけられるから。ハイアベレージな環境においてはこの穏やかさが、むしろ過敏さを取り去りリニアリティーをもたらすからだと思う。

一方、これがマカンになると、ゴルフRよりも少ない舵角でグリップを立ち上げることができた。この要因をFRベースの4WD機構や、より日常域での回頭性に優れるマカンの運動性能に結びつけることもできるが、筆者としては同じFK510でもSUV用の方が、ややサイドウォール剛性が高く作られているのではないかと感じた。結果的にはそのしなやかな乗り味と、スポーティーなハンドリングがちょうどよくバランスされていた。

C180に関しては、純正サイズよりもタイヤの幅が広められており、その印象は一番頼もしいものであった。Dセグメントらしからぬ車体剛性の高さとよい意味での車体の重さがタイヤに掛かっても、タイヤが負けない。一般的な走行では、ゴルフRで感じたしなやかさを保ったまま、メルセデスらしい穏やかなハンドリングを実現してくれていた。こういうタイヤテストをするときに、メルセデスは本当によい判断基準となってくれるクルマである。

今回は「フォルクスワーゲン・ゴルフR」「ポルシェ・マカン」「メルセデス・ベンツC180」の3台で試走が行われた。
今回は「フォルクスワーゲン・ゴルフR」「ポルシェ・マカン」「メルセデス・ベンツC180」の3台で試走が行われた。拡大
「AZENIS FK510」シリーズにはランフラットタイヤの「FK510ランフラット」やSUV用の「FK510 SUV」もラインナップされている。
「AZENIS FK510」シリーズにはランフラットタイヤの「FK510ランフラット」やSUV用の「FK510 SUV」もラインナップされている。拡大
高速道路を行く「AZENIS FK510 SUV」を装着した「ポルシェ・マカン」。
高速道路を行く「AZENIS FK510 SUV」を装着した「ポルシェ・マカン」。拡大
今回試走したなかでは、「メルセデス・ベンツC180」のみ通常とはタイヤサイズが大きく異なっていた。
今回試走したなかでは、「メルセデス・ベンツC180」のみ通常とはタイヤサイズが大きく異なっていた。拡大
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