愛車はワインと同じ

かつてラリーを楽しんだ同世代と、「スクアドラ・ピローティ・セネージ(シエナ・パイロットクラブ)」という会も結成した。

「なぜサーキット走行ではなくラリーを選んだかといえば、同じ志をもった仲間たちとより密に集えるからです」とルイージ氏。アマチュアとプロドライバーの境が今よりずっと低かった時代を楽しんだ世代ゆえ、メンバーの中には、イタリアのラリー史にたびたび登場する人物もいる。また、イタリア各地のイベントでは、サンドロ・ムナーリ(元ラリードライバー)といったレジェンドとも交流を楽しめる。

目下「70歳までラリーを楽しみたいですね」と語る。

車検のおかげで、こんなに身近で熱いおじさんと出会うことができた。ルイージ氏はクルマを収めた先ほどのスペースを「ガレージ」ではなく「cantina(カンティーナ)」と呼ぶ。イタリア語で「物置」である。

「イタリアでは、うまいワインはカンティーナに秘蔵しておく。だから私にとって、思い出のクルマがあるところは、カンティーナなのですよ」

ルイージ氏はアルピーヌA110のステアリングを握り、満面の笑みを浮かべた。

(文=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA> 写真=Akio Lorenzo OYA、Luigi Casagli Archive/編集=藤沢 勝)

仲間たちとのより密な交流が、サーキットよりもラリーを選んだ理由という。
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「アルピーヌA110」のステアリングを握ると、ルイージ氏の表情は少年に戻った。
「アルピーヌA110」のステアリングを握ると、ルイージ氏の表情は少年に戻った。拡大
ショールームで。夫人のドナータさんと共に。
ショールームで。夫人のドナータさんと共に。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住21年と脈絡なき人生を歩んできたものの、おかげで妙に顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして執筆活動に携わると共に、NHKラジオフランス語テキストでも活躍中。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』レギュラーリポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも奮闘している。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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