新旧MINIがパトカーとバトル

『ワイルド・ドライバー』はニュージーランド映画。オーストラリアなら『マッドマックス』や『クロコダイル・ダンディー』などが知られているが、ニュージーランド映画というのは日本ではあまりなじみがない。この作品も劇場公開はされず、DVDでの発売となった。

主人公はダメ男のジョン(ディーン・オゴーマン)。小説家だと称しているが、新作を書くことができずエージェントからは見放されている。家賃滞納でアパートから追い出されてドン底状態だ。八方ふさがりの彼は、会いに行かなければならない女性がいる。居候させてもらっていた友人のスーツを勝手に着込み、オンボロの「ホールデン・キングスウッド」で南を目指すが、少し走っただけでストップ。エンジンから火が出て炎上してしまう。

仕方なく山道を歩いていると、猛スピードでコーナーに突っ込んできた「MINIクーパーS」にひかれそうになった。運転していたルーク(ジェームズ・ロールストン)が乗せてくれることになったが、どうも訳アリらしい。彼は犯罪がらみでトラブルを起こしていて、盗んだMINIで逃げているのだ。ガソリン代を払わなかったことで、パトカーにも追われるハメになる。

ハンバーガーショップで拾った動物保護運動家の女性キーラ(アシュリー・カミングス)も乗せて3人でニュージーランド最南端のインバーカーギルへ向けて疾走する。警察とのバトルがテレビで報道され、彼らの行動に対する応援がSNSで広がっていく。『バニシング・ポイント』のような展開だ。

ヘリコプターまで動員する警察に対して、元レーサーのルークは華麗なドライビングテクニックで逃げ回る。しかし、ルートの要所を抑えられ、とても勝ち目はない。絶望的な状況の中で、頼もしい援軍が現れる。ニュージーランド全土から集まったMINIマニアたちだ。1960年代のクラシックMINIから最新のニューMINIまで、新旧モデルが入り乱れて激走する。MINIファンならば誰もが胸をアツくするだろう。

『ワイルド・ドライバー』DVD
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「MINIクーパーS」
1959年から40年以上にわたって生産されたMINIをモチーフとし、2001年に登場したのがBMWグループ傘下で開発された新世代のMINI。ジョンが乗っているのは3代目モデルで、上級グレードのクーパーS。
「MINIクーパーS」
	1959年から40年以上にわたって生産されたMINIをモチーフとし、2001年に登場したのがBMWグループ傘下で開発された新世代のMINI。ジョンが乗っているのは3代目モデルで、上級グレードのクーパーS。拡大
鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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