欧州型のカーシェアは“路上駐車”が前提
では、マンハッタンから大西洋を渡って欧州の都市部はどうか?
LRTとともに、北欧では専用レーンがある次世代バス交通(BRT)を併用するケースが増えている。ライドシェアリングについては、一部の都市ではタクシー業界などの既得権益を守るため、行政によって導入が許可されていない。これは日本も同じだ。
次に道行くクルマの様子を見ると、こちらはアメリカと同じく、高級車のボディーのピカピカ具合で日本に劣っている印象だ。ただ、古き良き時代からの伝統あるホテルの送迎車などは、当然のごとくケアが行き届いており、内外装ともに奇麗なクルマが多い。
別の視点で欧州の都市部を見ると、とても気になることがある。それが路上駐車だ。止められているクルマのボディーは、前後バンパーなどに大きな傷がある場合が多い。なにせ、車間距離が数cmといったキュウキュウな状態で縦列駐車しているのだから、そこから脱出しようと思ったら前後のクルマを押しのけるしか手がない。結果的に、バンパーが傷ついてしまうのだ。
以前と比べて、そうした強引な駐車マナーはだいぶ減ったようだが、それでも日本では考えられないような、超過密な路上駐車をよく目にする。ヨーロッパの都市部では、集合住宅に駐車場が完備されていない場合が多く、路上駐車を容認する地域も多いのだ。
逆に、こうした路上駐車の事情から発想されたサービスが、メルセデスのCAR2GOとBMWのDriveNowだ。これらは、決められた地域内でなら、路上での“乗り捨て”が可能なカーシェアリングとして、急成長している。会員数はそれぞれ300万人と100万人で、車両台数は約1万4000台と6000台。ダイムラーとBMWは、両サービスの統合に向けて調整を進めている段階だ。
日本でも都市部を中心にカーシェアリングの普及が進んでいるが、指定の駐車場を発着することが基本であり、片道での利用は不可。そもそも路上駐車が法律で禁止されているため、欧州型のサービスは実施できないのだ。
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