万が一のときに一番頼れるクルマ

より本格的なSUVの世界ですら、私の本来好きな「速く正確に」という移動を体現するならモノコックで十分であるが、地球にはより過酷な環境の中で生活し、生き延びなければならない世界がある。

世界一過酷なパリダカのサポートカーや、“完走第一”のプライベーターに選ばれるのは、ランドクルーザーやランドローバーだった。実際、サハラ砂漠で電機トラブルによって止まった際、現地のランクルとバッテリー交換して窮地を脱した経験がある。リーフスプリングなら一部が折れても他と“抱き合わせ”にして走れたりもする。ラダーフレームも同じで、床に大穴が空いた状態でもフレームがしっかりと機能していたおかげで、リタイアから脱出した事もあった。応用や修理のしやすさもフレームの魅力だ。これは特殊な、一部の例だが、地球上にはまだまだ「ゆっくり確実に」の移動が基本な世界が広く存在している。

タフな世界で生き抜くクロカン4WDのルーツにはジープを筆頭に軍用車がある。今や高級車の「メルセデス・ベンツGクラス」も、本来はオーストリアのシュタイア・プフのシャシーにエンジンを架装したもので、プジョー仕様なども存在した。そのルーツは、新型がデビューした今も不変だ。

では、こうしたラダーフレームのSUVは、日本ではオーバークオリティーなのか? その通りである。しかし、だからといって必要ないかどうかは考え次第。世界的にも災害の多い日本でも、万が一のときに一番頼れるのはクロカン4WDなのだ。安心も高くはつきますが、よろしく、愉しく!

(文=根本 純/編集=堀田剛資)

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