一朝一夕では結果は出せない

マツダの安全性能向上の努力は、今に始まったものではない。想像すれば分かるとおり、「衝突安全性能評価」はボディーそのものの性能がカギだ。もとの資質が良くなければ、いくら後から工夫しても、トップクラスの性能を実現することは難しい。CX-8やCX-5は新型モデルではあるが、シャシーが新世代というわけではない。マツダのなかではいわゆる“第6世代”と呼ばれるもので、すでに世代としては末期のもの。すなわち、もともとマツダはポテンシャルの高いプラットフォームを持っていたのだ(実際、同じシャシーの初代CX-5もJNCAPで5つ星を獲得している)。

先日の「ロードスター」のマイナーチェンジでは、同車にも自動緊急ブレーキが標準装備された。「トヨタ86」「スバルBRZ」に装備されていないことからも分かるとおり、販売台数が少なく、形状の特殊なスポーツカーに自動緊急ブレーキを装着するのは難しい。このことからも、マツダは安全に対して意識の高いメーカーといえるだろう。

また、今回のマツダの躍進は、スバルという“強敵”の不在も理由のひとつとして挙げられる。昨年は「スバル・インプレッサ/XV」が総合評価199.7点を獲得。過去最高の評価を得たクルマに贈られる「JNCAP大賞」を受賞するなど、前回は「マツダ祭」ではなく「スバル祭」だったのだ。本年度もスバルという強敵に新型車があれば、結果はまた違ったものになったのかもしれない。

ちなみに、2014年に始まったばかりの「予防安全性能評価」については、本年度に試験を受けた20台のうち、2台が満点を獲得。あまりに早すぎる“満点車”の登場に、早速試験内容見直しが行われることに。来年以降は評価対象に「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が追加されるという。この変更も含め、今後の試験内容は、予防安全装置の進化にフレキシブルに対応することになるとのことだった。

オフセット衝突の試験に用いられた「マツダCX-8」。
オフセット衝突の試験に用いられた「マツダCX-8」。拡大
衝突安全性能評価の内容が現在のものになってから、これまでで最高の評価を得ているのが「スバル・インプレッサ/XV」。前回(平成28年度)の自動車アセスメントで獲得した199.7点という総合評価は、今回ナンバーワンだった「マツダCX-8」をも上回るものだ。
衝突安全性能評価の内容が現在のものになってから、これまでで最高の評価を得ているのが「スバル・インプレッサ/XV」。前回(平成28年度)の自動車アセスメントで獲得した199.7点という総合評価は、今回ナンバーワンだった「マツダCX-8」をも上回るものだ。拡大
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