他国のメーカーにとっても“人ごと”ではない

先ほども触れたように、ディーゼル不正事件が今後もドイツ企業だけでとどまるかどうかは予断を許さない。それを示すのが、ディーゼル不正事件が発覚するきっかけとなったICCTが2017年9月に発表したリポート「ROAD TESTED: COMPARATIVE OVERVIEW OF REAL-WORLD VERSUS TYPE-APPROVAL NOx AND CO2 EMISSIONS FROM DIESEL CARS IN EUROPE」だ。

このリポートは、欧州のディーゼル車の環境基準値と実走行時のNOx排出量、およびカタログ燃費と実走行燃費がどの程度違うかを調査したもの。そによれば、ユーロ6基準に適合した車種の中で、NOxの実走行時の排出量と基準値の乖離(かいり)が最も大きかったメーカーはフランス・ルノーで、基準値の10倍以上を排出していた。このほか乖離の大きいメーカーはルーマニア・ダチアや日産など、ルノー製ディーゼルエンジンを積むメーカーと、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のフィアットやアルファ・ロメオなどだ。ルノーやフィアットも、これまでにディーゼル不正での疑惑が指摘されており、事件はさらに拡大する可能性もある。

(文=鶴原吉郎/写真=BMW、FCA、アウディ、ダイムラー、フォルクスワーゲン/編集=堀田剛資)

CO2排出量とNOx排出量の実走行時と認証値および環境基準値の差。縦軸がCO2(何%多いか)、横軸がNOx(基準値の何倍か)の乖離。(出典:ICCTが2017年9月に発表したリポート「ROAD TESTED: COMPARATIVE OVERVIEW OF REAL-WORLD VERSUS TYPE-APPROVAL NOx AND CO2 EMISSIONS FROM DIESEL CARS IN EUROPE」)
CO2排出量とNOx排出量の実走行時と認証値および環境基準値の差。縦軸がCO2(何%多いか)、横軸がNOx(基準値の何倍か)の乖離。(出典:ICCTが2017年9月に発表したリポート「ROAD TESTED: COMPARATIVE OVERVIEW OF REAL-WORLD VERSUS TYPE-APPROVAL NOx AND CO2 EMISSIONS FROM DIESEL CARS IN EUROPE」)拡大
FCA製の1.3リッターディーゼルターボエンジン。欧州メーカーのディーゼルエンジンを日系メーカーが採用している例としては、ルノーのユニットを採用する日産や、FCAのそれを採用するスズキなどが挙げられる。欧州メーカーの排出ガス不正疑惑は、日系メーカーにとって人ごとではないのだ。
FCA製の1.3リッターディーゼルターボエンジン。欧州メーカーのディーゼルエンジンを日系メーカーが採用している例としては、ルノーのユニットを採用する日産や、FCAのそれを採用するスズキなどが挙げられる。欧州メーカーの排出ガス不正疑惑は、日系メーカーにとって人ごとではないのだ。拡大
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