おかしいのはむしろリア

何が不可解かというと、それはずばり、曲がっていたフロントタイヤの向きだ。わがバイパーを襲った症状は、ハンドルを左に切っていないと真っすぐ走らない、いわゆる“右流れ”(勝手に右へと曲がっていってしまうこと)である。しかしてフロントタイヤが向いていたのは左。普通それって、逆じゃないですか? 素人考えで恐縮だが、この場合はむしろ“左流れ”の症状が出ていなければおかしかったのではないか?

この件について本多氏に尋ねたところ、わがバイパーのアシについては、「0.4°のフロントのズレより、リアのズレの方が大問題だった」とのこと。あらためてチェック結果をご覧いただきたい(本項写真B参照)。なんとリアタイヤが両方とも外を向いているではないか。しかもその角度、トータルで実に-3.07°(!)。とんだガニ股野郎である。よくもまあ、これでまともに走っていたもんだな。

と思ったら、本多氏に「いや、まともに走ってなかったですよ(笑)」とつっこまれた。そして記憶を掘り起こすに、確かに思い当たるフシがあった。

今をさかのぼること1年と7カ月、当連載の第7回の記事において、記者はバイパーの挙動をこう評していた。

むしろ、個人的にはもうちょいドッシリしていてほしいくらいで、高速道路でアシを取られたりすると、ヒヤっとするほど姿勢が変わる。

……当時のバイパーは、平たんな道なら、あるいは多少のワダチに触れる程度なら、なんてことなく真っすぐ走るクルマだった。しかし同時に、一定の大きさを超えるワダチに足を取られたり、高速道路のつなぎ目をナナメに突っ切ったりすると、冷や汗をかくほどハンドルを取られるクルマでもあった(実際にはハンドルを取られるのではなく、姿勢が乱れていたのだろう)。

当初、記者はこれを「前295、後ろ345なんて幅のタイヤを履いているから仕方ない」と考え、タイヤ交換後は「やっぱり競技用タイヤは神経質だなあ」なんて思っていた。いやはや、探偵小説に出てくる警察関係者ばりの推理力である。

今回はアライメント調整と合わせ、スペアキーの製作も依頼していた。写真下がスペアキー。上がもろくて壊れやすい(というか壊れている)純正キー。純正君よ、今日から君は観賞用アイテムに降格だ。(カギの歯が見えないものに写真を差し替えました。ご指摘いただいた方、ありがとうございます)
今回はアライメント調整と合わせ、スペアキーの製作も依頼していた。写真下がスペアキー。上がもろくて壊れやすい(というか壊れている)純正キー。純正君よ、今日から君は観賞用アイテムに降格だ。(カギの歯が見えないものに写真を差し替えました。ご指摘いただいた方、ありがとうございます)拡大
(写真B)アライメントの計測結果から、リアアクスル関連の数値をアップにしたところ。左:-1.29°、右:-1.38°というトー角の狂いっぷりもすごいが、左右ともに-2°強というキャンバー角も、なかなかにすごい。
(写真B)アライメントの計測結果から、リアアクスル関連の数値をアップにしたところ。左:-1.29°、右:-1.38°というトー角の狂いっぷりもすごいが、左右ともに-2°強というキャンバー角も、なかなかにすごい。拡大
せっかくなので調整後のタイヤの写真を……。といっても、この角度からだとなにも分からないですね。取りあえず、左向きだったフロントタイヤのトー角は左右ともに+0.01°に調整してもらった。メーカー指定の数値が+0.06°なので、やや“トーゼロ”寄り。「ハイグリップタイヤでも、コーナーの入りで頭が入りやすいように」という配慮だそうです。
せっかくなので調整後のタイヤの写真を……。といっても、この角度からだとなにも分からないですね。取りあえず、左向きだったフロントタイヤのトー角は左右ともに+0.01°に調整してもらった。メーカー指定の数値が+0.06°なので、やや“トーゼロ”寄り。「ハイグリップタイヤでも、コーナーの入りで頭が入りやすいように」という配慮だそうです。拡大
リアタイヤについては、問題だったトー角を左右ともに+0.09°に調整。-2°強のキャンバー角については、微調整しつつもそのまま残すことになった。理由はもちろん、スポーツ走行時に踏ん張ってほしいから。だってバイパーのお尻って、振り出したら絶対帰ってこないんですもの。
リアタイヤについては、問題だったトー角を左右ともに+0.09°に調整。-2°強のキャンバー角については、微調整しつつもそのまま残すことになった。理由はもちろん、スポーツ走行時に踏ん張ってほしいから。だってバイパーのお尻って、振り出したら絶対帰ってこないんですもの。拡大
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