なにがどうしてこうなった?

もちろん、なんの理由もなくそう思い込んでいた訳ではない。だって仕方ないやん。普通に走っている分には至って普通だし、誰に見せても「不具合を抱えていそうな個体じゃない」って言われるし、そもそもバイパーなんて乗るの、これが初めてだったんですもの。 そりゃあ多少ハンドルが取られても、「こういうクルマなんだな」って思ってしまうのもむべなるかな。むべなるかな!

ちなみに、この酔狂なリアのトー角について、相模原の名探偵は「以前のオーナーさんがリアサスペンションの部品を変えたとき、ちゃんとアライメントを調整しなかったんじゃないですかね。そもそも、バイパーのリアタイヤにトー角の調整が付いていることを、知らなかったのかも」と推理をさえ渡らせていた。

……などと一気に書いてしまったが、ちょっとここで頭を冷やしたい。
わがバイパーにとり、リアタイヤのトー角が大問題だったことは間違いない。1年半も乗っていながら、それに気付かなかった己がポンコツぶりも認めよう。しかし、そもそもの問題である“右流れ”の原因は、果たしてこれだったのだろうか?

あらためて測定結果を見る。リアタイヤのトー角は、左が-1.29°、右が-1.38°。ガニ股なのは事実だが、左右で大きな違いはない。これはキャンバー角にも言えることで、左右の差は-0.07°である。あとはフロントのキャンバー角だが、こちらは左が-0.08°、右が-0.30°と若干の差が見られるものの、果たして公道での直進性に影響をもたらすほどかと言われると……。それに、影響があるにしても右タイヤのほうがネガキャンが強いんだから、トー角と同じく、ここでも“左向き”の力が生じていたはずである。

じゃあ、問題の原因はアライメントではなかったのか? 前々回にもお世話になった山田弘樹氏に尋ねたところ、タイヤの空気圧に摩耗の度合い、ダンパーやブッシュの状態と、アライメント以外にもクルマの進路を狂わす要因は山ほどあるという。が、本多氏いわく「アライメント以外で特に手をつけた箇所はない」とのことだし、そもそも明細にも他の作業は記されていない。

ここまでくると、「ひょっとしたら『プラシーボ効果』で、本当は直ってないんじゃないの?」などと言われてしまいそうだが、それについては断じて答えられる。「それがね、なぜか直ってるんですよ」と。

それはもう、記者のようなポンコツでも力強くうなずけるぐらい、バイパーは健勝な姿になって帰ってきたのだ。

調整前のタイヤのトー角を模式的に表現したもの。四輪いずれも、例外なく狂っていたのは事実だが、これだけを見ると、“右流れ”の症状が起きるようには見えないのだが……。
調整前のタイヤのトー角を模式的に表現したもの。四輪いずれも、例外なく狂っていたのは事実だが、これだけを見ると、“右流れ”の症状が起きるようには見えないのだが……。拡大
わが「バイパー」のリアの足まわり(……といっても、ほとんどブレーキディスクしか写っていませんが)。本多氏の言う通り「部品交換後にトー角を調整しなかった」のだとしたら、その施工はアメリカ在住のころ、しかもオーナー氏のDIYによってなされたものと思われる。さすがに日本のショップさんが、そこまでズサンな仕事をするとは思えないので……。
わが「バイパー」のリアの足まわり(……といっても、ほとんどブレーキディスクしか写っていませんが)。本多氏の言う通り「部品交換後にトー角を調整しなかった」のだとしたら、その施工はアメリカ在住のころ、しかもオーナー氏のDIYによってなされたものと思われる。さすがに日本のショップさんが、そこまでズサンな仕事をするとは思えないので……。拡大
これまた釈迦に説法なお話しですが、クルマを正面または真後ろから見たとき、タイヤが“ハの字”になっていたら「ネガティブキャンバー」、“逆ハの字”になっていたら、「ポジティブキャンバー」と言う。……ちなみに、ここまでのイラスト3点は、すべてwebCGほったの筆である。参考になりそうな素材がなかったので、仕方なく製作する羽目になった。お目汚し、申し訳ない。
これまた釈迦に説法なお話しですが、クルマを正面または真後ろから見たとき、タイヤが“ハの字”になっていたら「ネガティブキャンバー」、“逆ハの字”になっていたら、「ポジティブキャンバー」と言う。……ちなみに、ここまでのイラスト3点は、すべてwebCGほったの筆である。参考になりそうな素材がなかったので、仕方なく製作する羽目になった。お目汚し、申し訳ない。拡大
今回の整備・修理の明細がこちら。そういえば今回は、ついにエアコンも修理したのだった。コンプレッサーのOリングを交換したらガス漏れがおさまったようで一安心。とりあえずはまた、この状態で様子見ですな。
今回の整備・修理の明細がこちら。そういえば今回は、ついにエアコンも修理したのだった。コンプレッサーのOリングを交換したらガス漏れがおさまったようで一安心。とりあえずはまた、この状態で様子見ですな。拡大
アライメント調整後の足まわりの様子。前後のタイヤの、ディスク面の向きにご注目である。ちなみに、フロントがトーゼロ寄り、リアに-2°のネガキャンという今回の足まわりは、本多氏謹製のもの。いわく「ほったさんはスポーツ走行によく参加するので、『ACR』のものを参考に調整してみました」とのこと。ありがたや、ありがたや。
アライメント調整後の足まわりの様子。前後のタイヤの、ディスク面の向きにご注目である。ちなみに、フロントがトーゼロ寄り、リアに-2°のネガキャンという今回の足まわりは、本多氏謹製のもの。いわく「ほったさんはスポーツ走行によく参加するので、『ACR』のものを参考に調整してみました」とのこと。ありがたや、ありがたや。拡大
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