階段落ちカーチェイスはさらに進化

そして、ヘリコプターのアクションをこなすために、トムは2000時間以上の訓練を経て操縦免許を取得している。狭い峡谷をすり抜けて低空飛行するという高度な技術をマスターし、自ら最新の高性能機を操った。600メートルの高度を飛ぶヘリコプターから垂らされたロープの先にある荷物まで数十メートル落下するというスタントも成功させている。

これ以上エスカレートすると、本気で命に関わりそうだ。年をとってもまだまだやれると意地を張るのも、そろそろやめたほうがいいのではないか。空中アクションがインフレーションを起こしているのに対し、安心して見られるのがカーアクションだ。このシリーズでは、毎回BMWを使ったカーチェイスが行われるのが定例となっている。『ゴースト・プロトコル』では「i8」と「6シリーズ」のカブリオレで、『ローグ・ネイション』では「M3」が登場した。

今回は「M5」である。BMWは現在映画とのコラボモデルを販売しているが、イーサンが乗るのは最新型ではない。5シリーズの第2世代となる「E28」で、M5としては初代モデルだ。撮影が行われたのはパリの中心部。朝6時から2時間だけ凱旋(がいせん)門やオペラ通りを封鎖したという。最初はオートバイに乗って70台ものクルマが走る中を逆走する。M5に乗り換えると、狭い路地をとてつもないスピードで駆け回った。

前回はM3で階段を駆け下りる場面があったが、今回はさらに進化した階段落ちだ。下っていく途中で180度ターンが入る。スタントコーディネーターのウェイド・イーストウッドが出した指示は、「クルマを180度回転させ、残り10度のところでハンドルを切ってクラッチを踏み、ローギアに入れろ」というものだったという。そんな高難度のスタントを要求するのもクレイジーだが、それを涼しい顔でこなしてしまう俳優もどうかしている。

(文=鈴木真人)

(C) 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
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「BMW M5」
ミドルサイズセダンの「5シリーズ」をベースにした高性能版がM5。第2世代の「E28」から作られるようになった。初代M5は「M1」由来の直列6気筒エンジンを搭載していた。映画にはV8エンジンの現行モデルも少しだけ登場する。


	「BMW M5」
	ミドルサイズセダンの「5シリーズ」をベースにした高性能版がM5。第2世代の「E28」から作られるようになった。初代M5は「M1」由来の直列6気筒エンジンを搭載していた。映画にはV8エンジンの現行モデルも少しだけ登場する。
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『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
2018年8月3日(金)全国ロードショー
配給:東和ピクチャーズ
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	2018年8月3日(金)全国ロードショー
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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