最新モデルにも踏襲されるキャラクター

ノルマンディーに渡ってしばらくしてからステアリングを握ったDB6ヴォランテも、よく似ていた。DB6のデビューは1965年と、DB4の2世代あとのモデルだから当然といえば当然だけど、「DB5」時代に4リッターに拡大されたものを踏襲する286psのエンジンは明らかにさらなる力強さとスピードを与えてくれる。とはいえ、全体的なフィールはかなり洗練されたDB4といった感じ。欲求を十分に満たしてくれるぐらいには速く、たっぷりと気持ちよく、テイストは濃厚でありながら変な過剰さや押しつけがましさが全くないということも同じだ。

同じく、初日のオンフルールまでの道のりではDB11の最新版である“AMR”も走らせたし、翌日のオンフルールからルマンまではDB11ヴォランテのドライバーズシートで過ごした。AMRについては他のリポーターの方がヴォランテについては僕がwebCGではリポートしているので、ここではあまりクドクドとは触れない。軽く添えておくなら、DB11 AMRは確かにパフォーマンスもトータルで高くなっているけれど、それ以上に快感指数が高まっている印象。初期の「DB11 V12」よりもいろいろな意味で洗練されている。あっさり心を奪われた。

DB11ヴォランテは、相変わらず説得力十分で、他のアストンたちと連なって丘陵地帯を走るような“飛ばさない”時間も、途方もなく気持ちいい。ましてや初夏のフランスの最高に心地よい空気と風景の中をオープンエアで、なのだ。至福以外のなにものでもない、エモーショナルな体験である。そしてこの2車に共通するのも、刹那的にスピードを追い求めるより操縦者の心をひたひたと満たしてくれるような気持ちよさを重視したキャラクターと、あらゆる意味で悪目立ちとは無縁な、慎み深い大人の嗜(たしな)みが生み出すエレガンスだった。

1965年に登場した「DB6」のオープントップモデル「DB6ヴォランテ」。アストンマーティンがオープンカーに「ヴォランテ」という呼称を用いた最初のモデルで、それまでは「ドロップヘッドクーペ」と呼ばれていた。
1965年に登場した「DB6」のオープントップモデル「DB6ヴォランテ」。アストンマーティンがオープンカーに「ヴォランテ」という呼称を用いた最初のモデルで、それまでは「ドロップヘッドクーペ」と呼ばれていた。拡大
今日におけるラインナップの中軸を担う、3モデルの「DB11」。右から「DB11 AMR」「DB11 V8」「DB11ヴォランテ」。DB11 AMRのデビューに伴い、V12エンジンを搭載した“素”のDB11はラインナップから外れることとなった。
今日におけるラインナップの中軸を担う、3モデルの「DB11」。右から「DB11 AMR」「DB11 V8」「DB11ヴォランテ」。DB11 AMRのデビューに伴い、V12エンジンを搭載した“素”のDB11はラインナップから外れることとなった。拡大
「DB11 AMR」(左)と「DB4」。
「DB11 AMR」(左)と「DB4」。拡大
「DB11」と「DB6」、新旧2台のヴォランテ。
「DB11」と「DB6」、新旧2台のヴォランテ。拡大
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