ヘリテージは受け継がれていく

そうなのだ。古きも新しきもアストンマーティンはアストンマーティン。パフォーマンスや表現方法こそ時代によって異なるけれど、ビシッと伸びた背骨みたいな奥深いところにあるフィロソフィーには、実のところ全くブレが感じられない。もしかして今回のツアーは、そうしたある種の精神性を、言葉ではなくクルマが与えてくれる感覚を通じて伝えようとする試みだったのでは? と、今になって思う。

アンディ・パーマーCEOの体制になってから、アストンマーティンは激変した、と評する声が多い。確かにクルマは確実に良くなっているし、ブランディングも明確になった。企業としても大きく飛躍を遂げ、これからまだまだ伸びるだろう。けれど、現在の経営陣は“決して変えてはならないもの”にまでいたずらに手をつけるようなマネはしなかった。ヘリテージというのは、そうして未来へと続いていくのだ。あらためてそのことに思い当たって、僕はとてもうれしい気持ちになった。男という愚かな生き物は“悠久”という言葉に弱いものだし、それ以前に僕は、昔からアストンマーティンに憧れているひとりのファンなのだ。

(文=嶋田智之/写真=アストンマーティン、嶋田智之/編集=堀田剛資)

アストンマーティンが設立されたのは1913年。その歴史は、今年で105年を迎える。
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「アルナージュ」と書かれた看板を行き過ぎる「DB4」。ゴールまではあとわずかだ。
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