ラインナップ拡大後もなお存在感を示す

911以外のモデルへ切り替える取り組みは何度もあった。1976年にはフロントエンジン・リアドライブ(FR)モデルの「924」が発売された。その後「944」「968」へと発展していくが、911に取って代わることはなかった。ラグジュアリーモデルの「928」も、また同じである。ポルシェの支持者は、RRで6気筒の水平対向エンジンを持つ911こそがポルシェであると信じてきたのだ。

1996年にデビューした「ボクスター」は、新たなユーザーをつかむことに成功した。ミドシップエンジンの2シーターオープンで、エンジンは水平対向である。ハードトップ版の「ケイマン」も優れたハンドリング性能で人気を得た。

2002年には4WDシステムを搭載したプレミアムSUVの「カイエン」が発売され、2014年からは一回り小さい「マカン」も加わる。SUVの2モデルは、ポルシェ社の屋台骨を支える商品に成長した。2009年に投入された4ドアセダンの「パナメーラ」には2017年にワゴンボディーも追加され、カイエンともどもプラグインハイブリッド車も選べるようになるなど、ラインナップの充実が際立っている。

ポルシェは小規模なスポーツカーメーカーから、幅広い車種をそろえた自動車会社に成長した。それでも、ポルシェと聞いて誰もがまず思い浮かべるのは、依然として911である。一貫してブレない姿勢がポルシェのブランドイメージを支えている。その根源をたどっていくと、初代ポルシェ博士の技術者魂に行き着くのだ。

(文=webCG/イラスト=日野浦 剛/写真=ポルシェ、二玄社)
 

ポルシェ初の量産FRモデルとして1976年に登場した「924」。エントリーモデルとしての意味合いが強いモデルで、各所にフォルクスワーゲンやアウディのコンポーネンツが利用されていた。
ポルシェ初の量産FRモデルとして1976年に登場した「924」。エントリーモデルとしての意味合いが強いモデルで、各所にフォルクスワーゲンやアウディのコンポーネンツが利用されていた。拡大
ポルシェミュージアムが所蔵する初代「ボクスター」。後に、主要コンポーネンツを共有するクローズドボディーの「ケイマン」も登場した。
ポルシェミュージアムが所蔵する初代「ボクスター」。後に、主要コンポーネンツを共有するクローズドボディーの「ケイマン」も登場した。拡大
2002年にデビューした大型SUV「カイエン」。今やポルシェも、販売台数の多くをこうした4ドアモデルが占めるようになった。
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