幅広く使われたトヨタのFFプラットフォーム

プラットフォームの共通化は以前から幅広く行われている。

例えばTNGAより前の世代で、トヨタの前輪駆動車に使われたプラットフォームは、低床/中床/高床と、床の高さを3段階に使い分けていた。低床は2代目の「オーリス」や「マークXジオ」などのミドル&Lサイズカーに使われ、中床は(国内で)販売を終えた「RAV4」や「ヴァンガード」などのSUVだ。さらに高床はフラットフロア構造のミニバンで、現行「エスティマ」や先代「ヴェルファイア/アルファード」が採用した。

こうなると同じプラットフォームを使う兄弟のような間柄でも、走行性能や乗り心地に共通性はほとんどない。オーリスとヴァンガードとエスティマでは、全然違うクルマだ。

それでも三菱の現行「デリカD:5」と先代「アウトランダー」など、カーブの曲がり方が似ていると感じることはあるが、共通のプラットフォームを使うためではないだろう。同じメーカーのクルマで、開発者や実験担当者が根底のところで同じテイストに仕上げているからだ。

そして、根本的に剛性が不足したプラットフォームでは、補強を加えても上質な運転感覚が得られない。

例えば「トヨタ・ルーミー/タンク」「ダイハツ・トール」「スバル・ジャスティ」の姉妹車は、2004年に発売された初代「トヨタ・パッソ」&「ダイハツ・ブーン」のプラットフォームを使う。初代パッソの車両重量は、1リッターエンジン車が900kg、1.3リッターが930kgで、全高は1535mmだった。それがルーミーほか4姉妹車の車両重量は1070~1100kgで、全高も1735mmと高い。4姉妹車の走りを支えるにはプラットフォームが力不足で、走行安定性や乗り心地に悪影響が生じた。

時間を費やして補強を加えるなどすれば改善されるものではあるが、ダイハツはすでに軽自動車からコンパクトカーまで柔軟に使えるプラットフォームを開発中だ。4姉妹車は現状維持のままで生産を続ける可能性が高い。

2012年にデビューした2代目「トヨタ・オーリス」。
2012年にデビューした2代目「トヨタ・オーリス」。拡大
3代目「トヨタ・エスティマ」は2006年にデビューし、デビュー11年目となる2016年にもマイナーチェンジを受けた。今もなお販売は堅調だ。
3代目「トヨタ・エスティマ」は2006年にデビューし、デビュー11年目となる2016年にもマイナーチェンジを受けた。今もなお販売は堅調だ。拡大
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