まずは課題であるディーラー不足の解消を

ただ、消費者目線で考えるとシトロエンは買いやすいブランドとは言い難い。長い歴史を持つにも関わらず、日本での知名度は低く、そもそも“大衆車ブランド”でありながらディーラーが極端に少ない。最も多い東京でさえ5店舗にとどまり、全国では55店舗しかない。地方によっては、販売店どころかメンテナンス拠点さえないのが現状である。

逆にいえば、今C3を手にしているユーザーは、そんな困難もなんのそのという熱烈なファンなわけだ。“一目ぼれ”の新しいユーザーも多いと聞くし、シトロエンにとってあらためて日本でのビジネスチャンスが訪れたことに間違いはない。今後の日本での戦略は、ファンであれば気になるところではないか。なにせ極端な話をすれば、ちょっと前までは……というか、今でさえ「わずかなシェアしかないシトロエンが、日本でいつまで販売を続けるのだろう?」と考えてしまうときがある。何しろ、かつてはあれほどの栄華を誇った米国ブランドが日本から撤退してしまう時代だ。そんな折に、幸運にも来日していたシトロエンのマーケティング部長、アルノー・ベローニ氏にインタビューする機会を得た。

日本での戦略をたずねると、ベローニ氏はポイントを3つ挙げた。まずは「販売店」。やはり新車販売拠点の拡大は重要なポイントと捉えていた。それと同時に、新たなショールームコンセプトである「La Maison Citroën」(仏語で「シトロエンの家」の意)を日本にも浸透させようとしているとのことだった。このコンセプトを簡単に説明すれば、おしゃれで快適な、リビングのように居心地のよいショールームを仕立てようとするもの。これにはデザイン改革を進めるシトロエンを新たな方向性でアピールする狙いもある。

仏グループPSAにおいて、シトロエンのマーケティング部長を務めるアルノー・ベローニ氏。
仏グループPSAにおいて、シトロエンのマーケティング部長を務めるアルノー・ベローニ氏。拡大
「La Maison Citroën」はシトロエンが世界的に導入を進めているショールームのデザインコンセプトで、日本では2018年6月にオープンした「シトロエン目黒」で初めて採用された。
「La Maison Citroën」はシトロエンが世界的に導入を進めているショールームのデザインコンセプトで、日本では2018年6月にオープンした「シトロエン目黒」で初めて採用された。拡大
あなたにおすすめの記事
関連記事
  • シトロエンC3シャイン デビューエディション(FF/6AT)【試乗記】 2017.8.28 試乗記 「シトロエンC3」がフルモデルチェンジを受け、装いも新たに登場。ブランドの屋台骨を支える最量販モデルの新型は、フランス車らしい個性と実直さにあふれたクルマに仕上がっていた。デビューを記念した限定車に試乗した。
  • 第35回:シトロエンC3 2019.5.29 カーデザイナー明照寺彰の直言 ユニークなデザインで注目を集め、デビューとともに一躍人気モデルとなった現行型「シトロエンC3」。いまやすっかりブランドの屋台骨となっている同車のデザインは、現役のカーデザイナー明照寺彰の目にどう映るのか?
  • シトロエンC3(FF/6AT)【試乗記】 2017.6.30 試乗記 ユニークな顔つきが印象的なシトロエンの新型「C3」。特別に速くもなければ、豪華なわけでもない。しかし小型実用車としての基本は外さぬ、フランス車らしい実直さに満ちていた。日本試乗向けのプリプロダクションモデルに試乗した。
  • 日産ノートe-POWER NISMO S(FF)【試乗記】 2019.8.2 試乗記 「日産ノートe-POWER NISMO」のハイパフォーマンスバージョンとして登場した「NISMO S」。ベースモデルの109psに対し、136psに出力を向上させた電動パワーユニットと専用開発されたドライビングモードがもたらす走りを確かめるために、富士山麓のワインディングロードを目指した。
  • フィアット500Xクロス(FF/6AT)【試乗記】 2019.6.19 試乗記 フィアットのコンパクトSUV「500X」が、デビューから5年を経てマイナーチェンジを受けた。エクステリアデザインに手が加わるとともに、新世代の1.3リッター直4ターボエンジンが採用されたイタリアンSUVの出来栄えをチェックする。
ホームへ戻る