第6回:ボルボXC40(後編)

2018.10.03 カーデザイナー明照寺彰の直言
「ボルボXC40」
「ボルボXC40」拡大

好評を博す「ボルボXC40」の造形について、前編では全幅の広さや斜め後方の視界の悪さを指摘した明照寺彰氏。やはり、実用性を犠牲にした部分に関しては疑問もあるという。しかしディテールを見ていくと、その狙いや技巧にはうならされるところが確かにあったようだ。

すでに紹介したとおり、「XC40」はCセグメントに属するSUVでありながら、その全幅はまさかの1875mm! 前編では大いに物議をかもした。
すでに紹介したとおり、「XC40」はCセグメントに属するSUVでありながら、その全幅はまさかの1875mm! 前編では大いに物議をかもした。拡大
2017年夏にデビューした「ジャガーEペース」。(自称)コンパクトSUVでありながら、その全幅は1900mm(!)に達する。コンパクトとは一体……。
2017年夏にデビューした「ジャガーEペース」。(自称)コンパクトSUVでありながら、その全幅は1900mm(!)に達する。コンパクトとは一体……。拡大
左から「XC60」「XC90」「XC40」。車名の数字からもわかるとおり、なかなかに立派な体格のXC40だが、ボルボのSUV製品群の中ではエントリーモデルに位置する。
左から「XC60」「XC90」「XC40」。車名の数字からもわかるとおり、なかなかに立派な体格のXC40だが、ボルボのSUV製品群の中ではエントリーモデルに位置する。拡大
なんでいきなり「ダッジ・バイパー」なんて車名が出てきたかというと、webCGほったのマイカーがこれだから。全幅もスゴいが、排気量も燃費もスゴいゾ。
なんでいきなり「ダッジ・バイパー」なんて車名が出てきたかというと、webCGほったのマイカーがこれだから。全幅もスゴいが、排気量も燃費もスゴいゾ。拡大

グローバル化が招いた全幅のチキンレース

明照寺彰(以下、明照寺):今は、どこのクルマもグローバルでの販売を考えているので、車幅は広がる方向なわけです。日本車だって、多くのモデルがあらゆる国で売られるようになっていますから、やっぱり幅は広がる方向にあるわけですけど。

ほった:グローバルというのは、主にアメリカや中国なんでしょうか。

永福ランプ(以下、永福):まぁそうですよね。そのあたりの国のユーザーは、全幅をそんなに気にしませんし。

ほった:世間的には「1900mmぐらいまでならいいだろう」という感じなんですかね? 「ジャガーEペース」なんて、コンパクトSUVとか言っときながら幅が1900mmなんですけど。

明照寺:もうすでに、1900mmを超えるか超えないかっていうところまで来ちゃってますよね。自分が自動車デザイナーになった頃は、まだ「5ナンバー枠内で!」という国内市場の要求が、かなり大きかったんですが。

永福:それにしても、5ナンバー枠の全幅1700mm未満と、今の目安の1900mm未満じゃ、200mmも差があるわけで、まさかこんなに急激に肥大化するとは思ってませんでした。

明照寺:国内市場でも、5ナンバー枠にこだわる人があまりいなくなってきているのは確かですけど、それでもCセグで1800mm後半というのは、さすがにやり過ぎな気がするんです。ボルボもそうですが、ブランドによっては一応エントリーモデルじゃないですか。それがそこまで行くというのは、ちょっとどうなのかなぁ。

永福:このまま全幅の拡大が続くかと思うと、怖くなりますよ。果たして揺り戻しはあるのか……。

ほった:あってほしい気もしますね。

永福:「バイパー」の全幅がフツーになっちゃったら、日本の道路は破滅するもんね(笑)!

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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