脈々と受け継がれるアグレッシブなクルマづくり

スピダーはピュアなオープン2シーターというユーザーを選ぶクルマだったが、2000年には「クリオ(日本名:ルーテシア)」にも、ルノースポールの名を冠した初のホットハッチ「R.S. 2.0」が登場。これにより、「実用的でありながら群を抜いた高性能車」という今のR.S.モデルの流れが誕生した。一方で、スピダーのように飛びぬけたモデルを投入することもままあり、同じく初代クリオをベースに、3リッターV6をミドシップ搭載した「クリオV6」などがその例にあたる。クリオV6は車名にこそ「R.S.」を含まないが、テールゲートにはその素性を示すべく、R.S.のエンブレムがしっかりと掲げられていた。

最後に、現在のルノー・スポールについて触れておこう。2016年、ルノー・スポールは組織の再編が行われ、モータースポーツ全般を受け持つ「ルノー・スポール・レーシング」と、市販車の開発を行う「ルノー・スポール・カーズ」の2つに分けられた。もちろん、モータースポーツ活動から市販車開発への技術フィードバックは、しっかりと行われている。そんなルノー・スポール・カーズが送り出す市販車は、ルノー・スポールによる独自開発が行われたコンプリートカー「R.S.」と、ルノー・スポールがチューニングを加えたスポーティーカー「GT」「GTライン」の大きく2つに分けられる。2017年の売上額は900万ユーロを超え、販売台数も5万台以上を記録。大メーカー、ルノーの中では小さな数字だが、しっかりと独立性を確保するだけの基盤は持っているといえるだろう。

ルノー・スポールの母体となったアルピーヌは、A110というピュアスポーツカーによりブランドが復活。現在のルノー・スポールの拠点であるディエップも、もともとはアルピーヌの本拠地だった。ゴルディーニについても、一時期「トゥインゴ」や「ウインド」などでグレードとして復活を果たした時期があるが、こうした例を挙げるまでもなく、彼らのチャレンジャースピリットが受け継がれていることは、ルノー・スポールのアグレッシブなクルマづくりに表れている。

(文=大音安弘/写真=ルノー/編集=堀田剛資)
 

「ルノースポール・スピダー」
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「ルノー・クリオR.S. 2.0」
「ルノー・クリオR.S. 2.0」拡大
「ルノー・クリオV6」
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アルピーヌブランド復活の旗手となった新型「アルピーヌA110」(左)と、1960~1970年代にかけて活躍した“オリジナル”の「A110」(右)。
アルピーヌブランド復活の旗手となった新型「アルピーヌA110」(左)と、1960~1970年代にかけて活躍した“オリジナル”の「A110」(右)。拡大
ルノー・スポーツが拠点を構え、新型「アルピーヌA110」の生産も行われているディエップは、かつてアルピーヌが本拠地としていた場所である。
ルノー・スポーツが拠点を構え、新型「アルピーヌA110」の生産も行われているディエップは、かつてアルピーヌが本拠地としていた場所である。拡大
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