他のクラスとの比較に見るメリット

盛り上がりの根拠に挙げられるのが、まずラインナップされているモデル数だ。2017年春の時点で、このクラスに国内4メーカーが用意していた新車は20機種弱だった。ところが2018年9月現在、それは派生モデルも含めて29機種に拡大(逆輸入モデルや競技車両を除く)。加えて、ランブレッタやプジョー、アプリリア、SWMといった海外ブランドのモデルも新たに導入されるなど、その幅はかなり広くなっている。

ラインナップが増えても売れなければ意味はないが、それについても125ccクラスの保有台数はこの10年間ジワジワ増え続け、2008年の142万9738台に対し、2017年は173万7911台となっている。一方、50ccクラスは790万2051台(2008年)から561万5360台(2017年)へと30%近くも減少しているのが現状である。(参照データ:日本自動車工業会)

125ccクラスが増えている理由はいくつかあるのだが、まずはそのメリットをおさらいしたい。50ccの原付に対する利点はおおむね下記の通りだ。

  • 法定最高速度が60km/h(50ccは30km/h)
  • 2段階右折が不要
  • 2人乗りが可能(ただし免許取得後1年が経過してから)

要するに、道路交通法に対する“しばり”の少なさが挙げられる。一方、125ccを超える普通自動二輪車に対しては、

  • 税金の安さや燃費のよさ
  • クルマの任意保険に加入していれば、その補償がファミリーバイク特約として適用される(一部制限あり)

このように、維持費の面で有利なことが多いというわけだ。とはいえ、これらは今に始まったことではなく、ガソリン代高騰などの影響があったとしても、ブームの直接的な要因とは言えない。では、他になにがあるのか? それを探ると、このクラスを後押ししようと外堀を埋める、関係各所の思惑が見えてくるのである。

2018年3月の東京モーターサイクルショーより、同年日本での販売が開始されたプジョースクーターの出展ブースの様子。
2018年3月の東京モーターサイクルショーより、同年日本での販売が開始されたプジョースクーターの出展ブースの様子。拡大
リッターオーバーのスーパースポーツから50ccの原付まで、幅広いモデルをラインナップするアプリリア。写真のオフロードモデル「RX125」やスモールスーパースポーツの「RSV4 125」など、125ccクラスのモデルも多数用意している。
リッターオーバーのスーパースポーツから50ccの原付まで、幅広いモデルをラインナップするアプリリア。写真のオフロードモデル「RX125」やスモールスーパースポーツの「RSV4 125」など、125ccクラスのモデルも多数用意している。拡大
公道を走る「ホンダ・スーパーカブ50」。50ccの原付には、30km/hの法定最高速度や2段階右折の義務付けなど、さまざまな法的制約が課せられている。(写真=荒川正幸)
公道を走る「ホンダ・スーパーカブ50」。50ccの原付には、30km/hの法定最高速度や2段階右折の義務付けなど、さまざまな法的制約が課せられている。(写真=荒川正幸)拡大
124ccのエンジンを搭載した「ホンダPCX」。動力性能では排気量の大きな「PCX150」に一歩ゆずるものの、軽自動車税が1200円安かったり、自動車保険のファミリーバイク特約が使えたりといったメリットがある。
124ccのエンジンを搭載した「ホンダPCX」。動力性能では排気量の大きな「PCX150」に一歩ゆずるものの、軽自動車税が1200円安かったり、自動車保険のファミリーバイク特約が使えたりといったメリットがある。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事