125ccに傾注する国内メーカー

そもそも国内メーカーは、50ccではなく125ccクラスを二輪免許の入り口にしたいと考えている。なぜなら50ccというのは基本的に日本独自の排気量区分で、世界規模では125cc~150ccがスタンダードだからだ。いわば50ccはガラパゴス化したクラスなのだ。しかも販売台数は最盛期の10分の1程度にまで減少している。落ち込む一方のマーケットのために、わざわざ専用のモデルを作りたくないというのがメーカーの本音だ。そこでホンダとヤマハは、2016年10月にスクーター生産の協業を検討し始め、実際ヤマハは、2018年3月から一部機種のOEM供給を受けている。

それと前後するように始まったホンダの攻勢は分かりやすい。排ガス規制をクリアできない50ccはそのまま生産を終了し、代わりに125ccクラスのニューモデルを積極的に投入。長年愛されてきた50ccの「モンキー」を「モンキー125」に刷新したのは顕著な例だが、それ以外にも「スーパーカブC125」「CB125R」「PCXハイブリッド」など、現在このクラスに13機種も新車を用意している。

一方、ヤマハは3輪の「トリシティ」を改良して安全性と独自性を訴求し、カワサキは「Z125プロ」でレジャー性を追求。スズキはホンダに次ぐ豊富なラインナップを持ち、本格的なスポーツ性を持つ「GSX-R125 ABS」や、そのネイキッド版である「GSX-S125 ABS」、街乗りでの機動力に特化した「スウィッシュ」など、8機種をリリースしている。

さて、こうしてネタをズラリとそろえたなら、並行してやるべきは障壁となる免許制度の改革だ。その手始めとして、2018年7月に道路交通法が改正され、普通免許(四輪)を持っていればオートマ(AT)小型限定の普通自動二輪免許が取得しやすくなった。これまでは1日当たりに受けられる技能教習に制限があり、最短でも取得に3日かかっていた。今回の法改正では、その課程が緩和され、最短2日で免許を取れるようになったのである。

2018年3月に登場したヤマハの新型「ジョグ」(左)と「ビーノ」(右)。ともにホンダからOEM供給を受けて販売されるモデルで、デザインの一部は異なるものの、前者は「ホンダ・タクト」、後者は「ホンダ・ジョルノ」の姉妹モデルとなる。
2018年3月に登場したヤマハの新型「ジョグ」(左)と「ビーノ」(右)。ともにホンダからOEM供給を受けて販売されるモデルで、デザインの一部は異なるものの、前者は「ホンダ・タクト」、後者は「ホンダ・ジョルノ」の姉妹モデルとなる。拡大
2018年3月に発売された「ホンダCB125R」。ホンダ伝統の“CB”に125ccクラスのモデルが設定されるのは、2000年代初頭に姿を消した「CB125T」以来、久々のこととなる。
2018年3月に発売された「ホンダCB125R」。ホンダ伝統の“CB”に125ccクラスのモデルが設定されるのは、2000年代初頭に姿を消した「CB125T」以来、久々のこととなる。拡大
2018年3月に登場した「カワサキZ125プロ」。カワサキのネイキッドスポーツモデルである“Z”シリーズの“末弟”にあたる。
2018年3月に登場した「カワサキZ125プロ」。カワサキのネイキッドスポーツモデルである“Z”シリーズの“末弟”にあたる。拡大
こと125ccクラスについては、ホンダに次ぐラインナップを誇るスズキ。スポーツモデルの“GSX”シリーズには、フルカウルの「GSX-R125」とネイキッドの「GSX-S125」の、2つのモデルを用意している。
こと125ccクラスについては、ホンダに次ぐラインナップを誇るスズキ。スポーツモデルの“GSX”シリーズには、フルカウルの「GSX-R125」とネイキッドの「GSX-S125」の、2つのモデルを用意している。拡大
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