125ccクラスを取り巻くポジティブな流れ

もちろん、教習に必要なシミュレーターや教官の数にも左右されるため、現段階では必ずしも思惑通りに機能しているわけではないが、ハードルが少し下がったことは間違いない。もっと言えば、この免許が原付免許に取って代わる形で普通免許に付帯することになれば、いよいよ125ccクラスが爆発的にヒットする可能性が高い。

現にスズキの鈴木 修会長は、2017年の決算会見の際、「125ccや150ccが小さなバイクの限界ではないか」と述べ、将来的に50ccはなくなる可能性を示唆した。そうした事実からも、メーカーサイドの「このクラスをスタンダードにしたい」という意向がうかがえる。

加えてもうひとつ。警察庁は2018年4月に「自動二輪車等に係る駐車環境の整備の推進について」という通達を出し、二輪用駐車場の増加と駐車違反の規制見直しを検討し始めた。要するに、「二輪の駐車場が整ってないのに杓子(しゃくし)定規に違反を取り締まるのはいかがなものか。迷惑がないのであれば場所や時間に応じて臨機応変に対応しましょう」と、緩和方向に舵が切られたのである。

法改正、規制緩和、グローバルスタンダードへの追従、メーカーや関係団体の思惑……などなど、さまざまな要因が重なって二輪の価値が見直され、その中でもコストパフォーマンスに優れる125ccクラスに注目が集まって需要が高まる。需要が高まれば、メーカーもさらに魅力的なニューモデルを投入する。今、125ccクラスはそんなポジティブな渦の真っただ中にある。日本でもこのクラスが、二輪のスタンダードとなる日は近いのかもしれない。

(文=伊丹孝裕/写真=川崎重工業、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機、webCG/編集=堀田剛資)
 

スズキの「アドレス125」(左)と「アドレスV50」(右)。現状では普通自動車免許に付帯するのは原付免許のみだが、それで原付第二種まで運転できるようになったら、125ccクラスのモデルは爆発的に普及するかもしれない。
スズキの「アドレス125」(左)と「アドレスV50」(右)。現状では普通自動車免許に付帯するのは原付免許のみだが、それで原付第二種まで運転できるようになったら、125ccクラスのモデルは爆発的に普及するかもしれない。拡大
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