同じCセグメントハッチバックでも全然違う

明照寺:個人的な感覚としては、建築とかスマホが究極のシンプルネスを目指している中で、これまでのような押し付けがましい形状は、過去のものになっていくんじゃないかと思います。「モノよりコト」みたいなところもあるじゃないですか。

ほった:「モノより思い出」っていうCMコピー、ありましたね。トヨタじゃないけど。

明照寺:モノ自体があんまり主張しすぎると、時代的にはそぐわなくなるのかなと感じています。ただ、シンプルだけどカッコよくて新しいってどんな形か。それがすごく難しい。ただ単純にシンプルにするだけじゃなくて、なにか新しさを見つけなきゃいけない。それはこれからのデザイナーの大きな課題です。多くのメーカーが、シンプルだけどカッコよくて新しい形を模索している。カローラ スポーツもそういう一台だと思います。ただひとつ気になった点があります。

永福:どこですか。

明照寺:リアまわりです。サイドビューで見ると、リアゲートがすごく寝ているんですよ。ひょっとしたら、マツダの「アクセラ」よりも寝てるぐらいかな。

永福:アクセラって、実際ラゲッジに荷物積もうとすると、けっこう入らない。

明照寺:リアゲートが寝てるか寝てないかの基準って、主にリアタイヤに対してヒンジの取り付け位置がどこに来てるのかってことになるんですけど、カローラ スポーツは、リアタイヤより内側にルーフの端っこが来てますよね。

ほった:タイヤの中心線よりもですか?

明照寺:そうです。例えば「フォルクスワーゲン・ゴルフ」と比較すると、全然違います。

永福:うわ、こんなに違うんだ。

ほった:なんというか、ある意味「さすがゴルフ」でもありますね。

永福:現行ゴルフって、妙に平べったく幅広くなっちゃって、最初は「実用性落ちてるなあ」って思っていましたけど、こういうところを見るとやっぱり実用性優先なんですね。

完全に余談だが、「モノより思い出」は2代目「日産セレナ」で使用されたキャッチコピーである。
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2017年の東京モーターショーで発表された、マツダの「魁(かい)コンセプト」。明照寺氏いわく、今日では多くのメーカーが「シンプルだけどカッコよくて新しい形」を模索しているという。
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競合車種とのサイドビューの比較。まずは今回の主役である「トヨタ・カローラ スポーツ」。(写真=向後一宏)
競合車種とのサイドビューの比較。まずは今回の主役である「トヨタ・カローラ スポーツ」。(写真=向後一宏)拡大
次いで「マツダ・アクセラスポーツ」。ちなみに、このクルマが3台中、最も全長とホイールベースが長い。
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最後に「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。リアウィンドウの傾斜と、テールゲートのヒンジの位置に注目。
最後に「フォルクスワーゲン・ゴルフ」。リアウィンドウの傾斜と、テールゲートのヒンジの位置に注目。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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