スバル・フォレスター ツーリング(4WD/CVT)
温かみのあるクルマ 2018.10.23 試乗記 現行型「スバル・フォレスター」の“素”の実力を確かめるべく、ベースグレード「ツーリング」に試乗。気持ちのいいエンジンや快適な乗り心地、使う人のことを考えた安全装備と各部の使い勝手などに、新しくなったフォレスターの底力を感じた。もはや奇をてらう必要はない
意外なニュースが飛び込んできた。この2018年6月に発表、7月より販売されている新型スバル・フォレスターが2018年度のグッドデザイン賞を受賞したというのだ。なぜ意外かといえば、5代目のフォレスターは、「従来型から買い替えたのに、同じ色を選んだせいで家族はだれも新車になったことに気づかなかった」という都市伝説が生まれるほど、外観はキープコンセプト。それがなぜグッドデザイン賞……。
グッドデザイン賞受賞を報じるスバルのプレスリリースを読んで、その理由に納得する。いわく、「先代モデルから奇をてらわずに丁寧に正常進化している」という評価が、受賞につながったのだという。なるほど、正常進化しているのは間違いない、とうなずくと同時に、フォレスターというブランドが確立して“MINI化”したのだということも感じる。
ご存じのように現行(BMW版)「MINI」は、2001年にデビューした初代MINIから数えて3代目となる。けれども、初代、2代目、3代目と並べても、大きな違いはない。差異は間違い探しのレベルで、MINIはMINIだ。そして、新しいとか古いとか関係なく、MINIのカッコをしているから、MINIを買う。
フォレスターも同じだ。みんなが知っているフォレスターのスタイルを崩さずに、ちょっとずつ時流に合わせて洗練させればそれでいい。
現在のスバルの売り上げは北米が約6割で、フォレスターはそのうちの約4割を占めるという。だから、スクラップ&ビルドではなく、1997年にデビューしてから20年以上にわたって築き上げてきたブランド力を、資産として活用するのも当然だろう。
写真で見ると「あまり変わらない」という印象を受けるけれど、実車だと「あか抜けたね」と思える。新型フォレスターのデザインについてはwebCGでも何度か記事になっているので重複は避けるが、細かいところで言うと、従来型は正面から見た時のバランスがイマイチで、特にルーフレール装着車は「ウサギの耳みたい」だと揶揄(やゆ)された。けれども、新型は上手に整えられている。まさに奇をてらわない正常進化だ。
と、グッドデザイン賞受賞のニュースに引っ張られてしまったけれど、今回試乗したのはスバル・フォレスターのベーシック仕様となるツーリング。素のモデルで実力を探った。
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