ランドローバー・レンジローバー スポーツSVR(4WD/8AT)
スポーツマンでジェントルマン 2018.12.04 試乗記 ジャガー・ランドローバーのビスポーク部門「スペシャルヴィークルオペレーションズ(SVO)」が手がけた、同社史上最強のSUVが「レンジローバー スポーツSVR」である。従来モデルを出力で25ps上回る、過給機付き5リッターV8エンジンの実力を確認する。最高出力は25psアップの575psに
モデル名末尾に「SVR」の3文字があると聞いて、脊髄反射的にランボルギーニを思い出した方はかなりのカーマニアとお見受けするが、ここの主役はそんな1970年代の日本を熱狂の渦に巻き込んだスーパーカーショーのヒーローではない。ジャガー・ランドローバーのビスポーク部門である、スペシャルヴィークルオペレーションズ(SVO)が手がけた、同社史上最強のレンジローバー、レンジローバー スポーツSVRが本試乗記のメインキャストである。
最高出力550psとなる「ジャガーFタイプR」譲りの過給機付き5リッターV8エンジンを搭載し、オンロードでの動力性能に磨きをかけたレンジローバー スポーツSVRが登場したのは2014年。翌2015年秋には日本導入も果たしている。今回長野までのロングドライブに連れ出したこのモデルは、言ってみればそのマイナーチェンジモデルとなる。エンジンは25psアップの575psという、ちょっと前のスーパースポーツカー並みの最高出力を堂々とスペックシートに掲げる。
カーボン素材をぜいたくにも使用した「SVRカーボンファイバーエクステリアパック」をまとう試乗車は、ポルトガルの有名サーキットをイメージさせるエストリル・ブルーという名のカラーにペイントされている。レンジローバーはおしなべてシックなボディーカラーが似合うと信じていたのだが、この精悍(せいかん)なブルーも悪くない。
少々個人的な話になるが、過去、レンジローバー スポーツを約1年の間(毎日ではないが割と頻繁に)、移動用として運転する機会に恵まれていた。マイレージを重ねたその個体に比べ下ろしたてとなるこの試乗車は、明らかに品質が向上していると感じることができた。内装のパーツのチリひとつとっても違いは明らかで、走りだせばボディーとの一体感がより増した印象だ。もちろんSVRだからなのかもしれないが、マイナーチェンジで目に見えない改善がレンジローバー スポーツ各車に施されたことは間違いない。
ただし、日本で取り付けられたであろう助手席トーボード左にある発煙筒の場所は変わっておらず、その位置には再考を要望したい。乗り降りの際にうっかり足をぶつけてしまえば、ステーが容易に割れてしまうからだ。件(くだん)の個体もその被害にあっている。いかにレンジローバーといえども発煙筒のステーは汎用(はんよう)品であり、当たり前だがロイヤルワランティーの品質ではないようだ。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |