百花繚乱(りょうらん)の電動スクーター

その一方で、スポーツバイクではなくコミューター、つまり電動スクーターのメーカーは乱立状態だ。大小合わせれば世界にすでに数百社は存在しているといわれ、中国を中心に一大マーケットを形成。特に台湾勢の躍進は目覚ましく、2011年に設立されたばかりの電動バイクメーカー「Gogoro(ゴゴロ)」は飛躍的に販売台数を伸ばしている。

その数字を挙げておくと、2018年1月~8月の期間で約4万台の電動バイクを販売。この数字だけだとピンとこないかもしれないが、これは台湾全体の販売台数の7%強を占め、同期間の日本国内の総販売台数(原付きからビッグバイクまで含む二輪車全体)に照らし合わせると、実にその15%強に相当する。

ゴゴロが他メーカーと決定的に異なるのは、バイク本体のみならずインフラも同時に整えたことだ。電動バイクで最もネックになるのは航続距離だが、台湾全土にバッテリーステーションを設け、残量が減れば最寄りのステーションで新品のバッテリーに交換する、という手軽なシステムも含めて作り上げたのだ。

そんなゴゴロは日本とも無関係ではない。ヤマハはすでに同社との協業を視野に入れており、それが実現すればヤマハがデザインした電動バイクをゴゴロが生産することになるはずだ。

当然、ホンダにも動きがある。2017年にはスーパーカブを電動化した「EVカブ」の開発を進めていることを明言。このところ続報が聞かれないが、当初の青写真通り日本郵便との提携が実現すれば、全国で約8万5000台が稼働している配達用カブがEVカブに切り換わっていくことになる。

また、これとは別にすでに販売が始まっているのが「PCXエレクトリック」だ。その名の通り、PCXをベースに電動化したモデルで、シート下にモバイルパワーパックを2個搭載して41kmの航続距離(60km/h定地走行テスト値)を公称。車両区分は“50cc超~125cc以下”の原付二種に相当し、まずは企業や個人事業主向けのリース車両として展開されている。

台湾の新興バイクメーカー、ゴゴロの電動スクーター「ゴゴロ2」。
台湾の新興バイクメーカー、ゴゴロの電動スクーター「ゴゴロ2」。拡大
「ゴゴロ2」では、シートの下に脱着式のバッテリー2個を搭載している。
「ゴゴロ2」では、シートの下に脱着式のバッテリー2個を搭載している。拡大
ゴゴロが台湾に設置しているバッテリーステーション。現在の設置数は750カ所で、2019年には1000カ所を超える見込みだ。
ゴゴロが台湾に設置しているバッテリーステーション。現在の設置数は750カ所で、2019年には1000カ所を超える見込みだ。拡大
2015年の東京モーターショーに出展された「ホンダEVカブコンセプト」。ホンダでは「スーパーカブ」の電動化について、研究開発が進められている。
2015年の東京モーターショーに出展された「ホンダEVカブコンセプト」。ホンダでは「スーパーカブ」の電動化について、研究開発が進められている。拡大
ホンダが2018年11月30日にリース販売を開始した「PCXエレクトリック」。一般ユーザーに貸し出してのモニタリング調査も行われる。
ホンダが2018年11月30日にリース販売を開始した「PCXエレクトリック」。一般ユーザーに貸し出してのモニタリング調査も行われる。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事