スジが通っているのはいいけれど

永福:ただまぁ、全体としては新型フォレスター、やっぱり悪くないと思います。「先代より少し武骨な方向にいったかな」というくらいで、それはそれでスバルらしいですし、スバリストからも、デザインに関しては特に文句は出てないんじゃないでしょうか。

明照寺:確かに、写真よりも外光の下で見た方がカッコよく見えましたしね。リアビューのたたずまいも結構しっかりしてる。ヘッドライトとかグリルとかで、何かもうちょっと先進的な提案でもあればよかったんですが。

永福:でも妙な変化球を投げなかったのはよかったんじゃないかな。なにしろスバルには、とんでもないデザインをやってしまった過去がありますから。2代目「インプレッサ」のマイナーチェンジとか、「B9トライベッカ」とか……。

ほった:あれは悲劇でしたね。

永福:もうたぶんスバルは、ああいう迷走はしないでしょう。技術だけでなくデザインに関しても、一本スジが通った感じがするので。やろうとしていることがブレてない。

明照寺:デザインにブレがないというのは非常に重要です。今のスバルはそれができていてうらやましい。ただ、デザイナーの立場としては、代わり映えしなさすぎるというのも、やっぱり問題なんですよ。

永福:確かに、もうちょっと一般ユーザーにアピールできる“新しさ”があったほうがよかったかもしれない。

明照寺:進化に加えて、変化もしなくてはいけないですから。進化と変化って結構難しいところで、お客さまがパッと見わかるようなのが変化だったりするわけじゃないですか。その両方を実現することを、われわれは求められているんです。

潔いまでのキープコンセプトっぷりから、「先代と比べてどうのこうの……」というスタンスで語られることの多い現行型「フォレスター」だが、単体で見た場合に「ここが破綻してる!」などと指摘されるような、完成度の低いデザインとはなっていない。
潔いまでのキープコンセプトっぷりから、「先代と比べてどうのこうの……」というスタンスで語られることの多い現行型「フォレスター」だが、単体で見た場合に「ここが破綻してる!」などと指摘されるような、完成度の低いデザインとはなっていない。拡大
2005年6月にデビューした、2代目「インプレッサ」の後期モデル。「飛行機の胴体と翼を模した……」というグリルデザインの説明に、「それはムリがあるだろ!」とツッコんだ人は私だけではないはず。
2005年6月にデビューした、2代目「インプレッサ」の後期モデル。「飛行機の胴体と翼を模した……」というグリルデザインの説明に、「それはムリがあるだろ!」とツッコんだ人は私だけではないはず。拡大
北米で販売された大型SUVの「B9トライベッカ」。この“顔”だったのはデビューから2年ほどで、その後は比較的普通のフロントデザインとなった。
北米で販売された大型SUVの「B9トライベッカ」。この“顔”だったのはデビューから2年ほどで、その後は比較的普通のフロントデザインとなった。拡大
歴代「フォレスター」。キープコンセプトだった初代と2代目、3代目と4代目も、見比べると明確なイメージの違いが感じられる。
歴代「フォレスター」。キープコンセプトだった初代と2代目、3代目と4代目も、見比べると明確なイメージの違いが感じられる。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

あなたにおすすめの記事
関連記事
  • スバルXVアドバンス(4WD/CVT)【試乗記】 2019.2.28 試乗記 新しいプラットフォームを採用するクロスオーバー「XV」に追加設定された「アドバンス」には、スバル伝統の水平対向エンジンにモーターを組み合わせた「e-BOXER」が搭載されている。700kmに及ぶロングドライブに連れ出し、その実力を確かめた。
  • スバルXVアドバンス(4WD/CVT)【試乗記】 2020.1.10 試乗記 マイナーチェンジされた「スバルXV」に試乗。外装には大きく手が加えられていないものの、運転支援システム「アイサイト」への機能追加や利便性の高い装備の採用など、変更内容は少なくない。その仕上がりをマイルドハイブリッドシステム「e-BOXER」搭載車で確かめた。
  • スバル・フォレスター アドバンス(4WD/CVT)【試乗記】 2018.12.13 試乗記 新型「フォレスター」のフルモデルチェンジから少し遅れて登場した、モーターアシスト機能付きパワーユニット「e-BOXER」搭載の「アドバンス」。刷新されたプラットフォームと進化したハイブリッドパワートレインの組み合わせは、どんな走りをもたらすのか。
  • スバル・フォレスター ツーリング(4WD/CVT)【試乗記】 2018.10.23 試乗記 現行型「スバル・フォレスター」の“素”の実力を確かめるべく、ベースグレード「ツーリング」に試乗。気持ちのいいエンジンや快適な乗り心地、使う人のことを考えた安全装備と各部の使い勝手などに、新しくなったフォレスターの底力を感じた。
  • スバルXV 2.0i-S EyeSight(4WD/CVT)【試乗記】
    2017.7.17 試乗記 新型へとフルモデルチェンジした「スバルXV」。新開発の2リッターエンジンを搭載した最上級グレード「2.0i-S EyeSight」に試乗し、スバルの人気クロスオーバーの実力と、従来モデルからの進化のほどを確かめた。
ホームへ戻る