シンプルなメカと圧巻の動力性能

富士スピードウェイの片隅で再度見たリーフNISMO RCは、やっぱりカッコよかった。このデザインで次期型「Z」や新型「シルビア」を出せばいいんじゃないの? と思ったくらいカッコよかった。

同時に、「そういえば俺、生粋のサーキット専用車って今まで乗ったことないな」と気付いて、いまさらながら緊張した。なにせ6台しか造る予定がないホンモノの超希少車だ。市販車「リーフ」の部品を流用しているとはいえ、価格だってとんでもない額だろう。仮にやっつけでもしたら、まあ恵比寿(webCG編集部は東京・恵比寿にある)には帰れまい。

一通りの撮影を終え、テントに戻ってクルマの説明を受ける。興味深かったのが、予想に反して4WDのシステムがシンプルなこと。駆動力の配分は、基本的に40:60(ハンドリング重視)と50:50(加速重視)の2パターンで、状況に応じて自動で配分を変化させるような可変制御は付いていない。昨今のスポーツカーに見られるような、左右輪の駆動力の差で旋回させるトルクベクタリング機能も備わっていない。「パワープラントには、極力市販車の部品を活用する」という意図もあるのだろうが、開発者いわく「トルクベクタリングを付けると、高速走行時には急激にヨーが発生しすぎる」とのことだった。なんにせよ、コーナリングは「ぜんぶ自分のウデでなんとかしてね」というクルマなのだ。

動力性能については、ガソリン車だと600ps級のスポーツカーに匹敵する0-100km/h加速のタイムを含め、おおむね資料にあった通り。ちなみに袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われたテストでは、初代を5秒以上も上回る1分10秒台のタイムを記録。さらにスリックタイヤを履かせたらコースレコードを記録したそうで、開発者は「専用タイヤをくれたら1分6.5秒台は出せる」と豪語していた。

そんなクルマをギョーカイきっての運動音痴に運転させるんだから、日産も太っ腹である。にこやかにクルマへと誘導するニスモのスタッフに「何かあったときの覚悟はできてるんでしょうね?」と心の中で尋ねつつ、運転席に乗り込んだ。4点式ハーネスをつけてもらい、ステアリングホイールのシフトセレクターで「D」を選び、いざ出発。

取材会場に運び込まれる新型「リーフNISMO RC」。
取材会場に運び込まれる新型「リーフNISMO RC」。拡大
サブフレームはCFRP製で、これにより初代より25%の軽量化を実現しているという。
サブフレームはCFRP製で、これにより初代より25%の軽量化を実現しているという。拡大
サスペンションは前後ともに、車体側にコイルダンパーユニットを備えたインボード式。
サスペンションは前後ともに、車体側にコイルダンパーユニットを備えたインボード式。拡大
オレンジ色のケーブルに注目。バッテリーは初代と同じく脱着が可能で、キャビン後方の低い位置に搭載されている。
オレンジ色のケーブルに注目。バッテリーは初代と同じく脱着が可能で、キャビン後方の低い位置に搭載されている。拡大
全6台が造られる新型「リーフNISMO RC」だが、カラーリングはいずれもこの色になるという。
全6台が造られる新型「リーフNISMO RC」だが、カラーリングはいずれもこの色になるという。拡大
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