“ふつうのクルマ”とは全然違う

当たり前といえば当たり前だが、このクルマ、“公道”を前提とした乗用車とは何もかもが違っていた。

真っ先に「うわ」っと思ったのが音である。電気自動車と聞くと静かなイメージだが、このクルマについてはにぎやかなことこの上ない。むき身のカーボンモノコックが鳴らす盛大なビビリ音に、豪快なギアノイズとザーっというロードノイズ。パワープラントから聞こえる「ひゅーん」という音は、実はモーターじゃなくてインバーターなどが発するものらしい。とにかく車内は音の嵐。スタッフが勾玉(まがたま)みたいなインカムから何か言っているが、なんも聞こえない。と思ったらミスコースしてた。

動きについても驚きの連続。ともかく「溜め」「待ち」「遊び」というものがないのだ。加速は、電動車だけにまあすごい。単純に加速力があるというだけでなく、そのレスポンスが早くて速い。5踏んだら5の加速が、タイムラグゼロで「はいよ!」っと来る。一方ブレーキは“漢(おとこ)の踏力型”で、要するに重め。重めだがきっちりリニアに利いて、コントロールのしづらさや違和感はナシ。前後方向の操作に対しては、クルマの動きもフィーリングも、この上なく“直”で“生”だ。コーナリングもまさにそうで、ステアリングは微細な操舵にもその通りに反応する。横Gが残ったままアクセルを開けるとお尻がムズがるガマンのなさといい、まるでカートである。最高出力326psの、でっかい電動カート。

そんなクルマなもんだから、タイヤからのインフォメーションの薄さは怖かった。コーナリング中、横Gが一定になったあたりでアクセルに足を移し替えたとき、「……これ、踏んだら回っちゃうかな?」と毎回悩み、結局コーナーの出口までパーシャルで我慢するという初心者みたいな走りに終始してしまった。まあこれについては、「タイヤがうんぬん」「クルマがうんぬん」というより、記者がタイヤから応答を引き出す運転をできていなかったからだろう。普段、Sタイヤをみちみちいわせながら武蔵野の下道を走っている弊害である。精進いたします。精進するからまた乗せてほしい。リーフNISMO RC。

カーボンのあや織り模様がむき出しの車内空間。製作したのは自動車の内装部品を手がける河西工業だ。
カーボンのあや織り模様がむき出しの車内空間。製作したのは自動車の内装部品を手がける河西工業だ。拡大
ホールド性抜群のブリッドのバケットシート。ぶっといサイドシルもあって、不養生な記者は乗り降りに苦労した。
ホールド性抜群のブリッドのバケットシート。ぶっといサイドシルもあって、不養生な記者は乗り降りに苦労した。拡大
ステアリングホイールに備わる、「R」「N」「D」と書かれたツマミがシフトセレクター。その下の「1」「2」「3」「4」と書かれたツマミは、モーターの出力レベルを切り替えるセレクターだ。
ステアリングホイールに備わる、「R」「N」「D」と書かれたツマミがシフトセレクター。その下の「1」「2」「3」「4」と書かれたツマミは、モーターの出力レベルを切り替えるセレクターだ。拡大
タイヤサイズは前後同径で235/40ZR18 95Y。ミシュランの「パイロットスポーツ カップ2」が装着されていた。
タイヤサイズは前後同径で235/40ZR18 95Y。ミシュランの「パイロットスポーツ カップ2」が装着されていた。拡大
富士スピードウェイのドリフトコースにて、記者が走らせる新型「リーフNISMO RC」。
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