オッサンは細かいことにうるさい

――パーツ交換は楽だったとおっしゃいましたが、苦労されたのはどこですか?

細井:やはりインターカラーの再現です。静岡のヤマハ本社にある現車のチェックはもちろん、雑誌やネットの写真から外装キットに適したストロボラインの尺を決めるのは本当に大変でした。

桐島:本物のYZR500とはサイズもデザインも違うからね。

細井:この黄色も、ペイントメーカーにはない色でした。それでもやはりインターカラーに思いを寄せる方はたくさんいらっしゃいますから、できるだけ本物らしくしたかった。変に時間がかかってしまったのはウインカー選びでした。元のYZRにはない保安部品をいかに無理なく収めるかが難しかった。いろんなウインカーを取り寄せて、ああでもないこうでもないと、丸一日を費やしてしまいました。

桐島:わかる。僕ら日本のオッサンは、細かいことにうるさいからね(笑)。

――実際のところ、桐島さんはこのカスタムをどう感じましたか?

桐島:最近のバイクもスクランブラーを中心にネオクラシックがはやってるでしょう。僕はそれ嫌いじゃない。というのは、70~80年代って記憶に強烈に残る優れたものが多くて、今見てもやっぱりカッコいいじゃないですか。音楽もそう。クイーンの映画が大ヒットしているのも世代の憧れが反映された結果だと思う。ただ、その勢いでオリジナルの古いバイクに手を出すと大変なことになるんですよ。僕もノートンやトライアンフに乗ったけれど、止まらないし曲がらないし、かからない。

細井:エンジンが……。

桐島:そうそう。それで乗らなくなる。そうなっちゃうなら、最新のバイクを懐かしいテイストに変えたほうが楽しくて楽。50歳にもなると慢性的に首や肩が痛いし、人生もラストスパートに入ったから、なるべく楽しい時間を送りたいよね。楽に乗りたいと思えるバイクが正義だよ。

バイクについて語り合う桐島ローランド氏(手前)と、ナインゲートの細井啓介代表(奥)。
バイクについて語り合う桐島ローランド氏(手前)と、ナインゲートの細井啓介代表(奥)。拡大
細井氏が特にこだわったというのがイエローのカラーリング。オリジナルの「YZR500」には装着されなかったウインカーについても、形状や取り付け位置などでおおいに悩んだという。
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2ストロークエンジンの「YZR500」が持つ4本出しのチャンバーはさすがに再現できなかったが、代わりにアクラポヴィッチのGPタイプのマフラーが装着されている。
2ストロークエンジンの「YZR500」が持つ4本出しのチャンバーはさすがに再現できなかったが、代わりにアクラポヴィッチのGPタイプのマフラーが装着されている。拡大
スクランブラーを中心に盛り上がりを見せるバイクのネオクラシックブームについて語る桐島ローランド氏。「とはいえ、その勢いで古いバイクに手を出すと大変なことになるんですよね」。
スクランブラーを中心に盛り上がりを見せるバイクのネオクラシックブームについて語る桐島ローランド氏。「とはいえ、その勢いで古いバイクに手を出すと大変なことになるんですよね」。拡大
クラシックバイクを何台も所有してきた桐島ローランド氏だが、この「YZF-R25」のように、最新のモデルをベースとしたクラシックカスタムにも肯定的だった。
クラシックバイクを何台も所有してきた桐島ローランド氏だが、この「YZF-R25」のように、最新のモデルをベースとしたクラシックカスタムにも肯定的だった。拡大
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