公明正大なジャッジといえるか?

問題なのは、選考に至る過程がほとんど明らかにされていないことだ。ウェブを通してどのモデルにどれだけの票が集まり、選考委員がどんな基準で審査して何に票を与えたのか。そういったことが公表されないまま、結果だけがひとり歩きしている印象なのだ。

同協会のSNSには、「金や力による影響を防ぎ公明正大なジャッジを行う」という宣言があるが、その理念にのっとっているとは言えず、実施規約の制定や情報公開に対する不備は少なくない。同様の賞はさまざまな二輪雑誌内でも開催されているが、それらはあくまでもちょっとした人気投票の域を出ないものだ。雑誌に携わった作り手と読者を結ぶ、ひとつのコミュニケーションの場であり、それでも得票結果やそこに至る過程が伏せられているケースは皆無だ。

たとえ秘匿でも、それがなんの影響も及ぼさない内輪ネタなら害はない。しかしながら、BOTYはその大仰な名称といい、選考委員の顔ぶれといい、まるで存在意義が正当化された団体に見えてしまうのが問題だ。

いま、国内のバイクは社会性よりも趣味性で成り立っている。その意味では無邪気な人気投票のひとつとしてスルーしてもいいのかもしれない。とはいえ、その結果が少なからずユーザーの指針になっていることを忘れてはいけない。まして、時には命をも左右する乗り物である。公の目にさらされる場でモノの優劣に評価を下すという行為をあまり軽く考えてはいけない。

BOTY最大の問題はまさにそこで、その責任に対して選考委員の背景があまりにも曖昧模糊(もこ)としている。なんらかの得票や点数を与える上で、それらに乗りましたか? 少しは触れましたか? せめて目の当たりにしましたか? と問いたい。

ではその選考委員がいかにして選ばれたかといえば、「メーカーの影響を受けていない人」が基準になったという。それが既述の面々ということだが、メーカー色がないことと単にバイクに幅広い知見を持たないことを同列にしてはいけない。

「スズキVストローム250」は軽二輪クラスの部門賞を受賞。オフロード走行も可能なデュアルパーパスモデルである。
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サーキットにおいてドゥカティのハイパフォーマンスモデル「パニガーレV4 S」を駆る筆者。今回、同モデルは外国車クラス賞の栄誉に輝いたが、受賞の理由は不明のままだ。
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