“コンサバ感”“オジサン感”が否めない

明照寺:ただ、リアコンビランプのあたりは、これまでのレクサスとはだいぶ違いますし、このクルマならではの部分が出てていいんですよ。

ほった:リアランプをスポイラー風に造形してますね。アメ車の“テールフィン”みたいに。

明照寺:これ、作り手として見ると「どうやって型を抜いてるんだろう?」って思います。どこかで型を分割してるんでしょうけど、パーティングラインもまったく見えない。これはかなりのブレイクスルーですよ。現場の人間としては、スゴいことやってるなぁと思わざるを得ない。

永福:これ、スゴいんですね?

明照寺:スゴいです。市販車でここまで立体的なものは、なかなかないですよ。コンセプトカーとかならあるかもしれませんが。

永福:でもユーザーにしたら、樹脂パーツなんてどうにでも作れるんだろうって思ってしまうなぁ。

明照寺:これを実現させるのは大変だったはずです。

永福:確かに面白い造形ではありますけど。……で、全体としてはどうなんでしょう? UX。

明照寺:リアでは冒険しているけど、フロントは「いつも通りにしようか」みたいに考えたのかなぁと感じました。

永福:私が思うに、ベースがトヨタC-HRでしょう。なにせC-HRのデザインがぶっ飛んでますから、それに比べると非常にコンサバに見えるんですよ。それが悪いとは言いませんが、リアコンビランプで頑張ってはいても、全体にはオッサンっぽく見える。RXやNXよりもオッサンっぽいくらいに。

明照寺:C-HRとは、できるだけイメージを離したかったんでしょうね。それより疑問は、リアゲートまわりのシルエットです。全体に対して下がり気味なんですよ、お尻のピーク感が。

永福:ですね。“垂れ尻”気味に見える。

明照寺:全体のウエッジ感を考えたら、もうちょっとピークを高いところにもっていくべきだったのかなぁと思います。そのほうが軽快感にも寄与するはずですし。

永福:垂れ尻はあきらかに“オッサン感”につながりますからね。それが最大の原因かもしれないな。さっき話していたリアコンビランプの立体感も、生きてないと思うんですよ。お尻の位置が低い、垂れ尻フォルムのせいで。

明照寺:そこはもったいない感じはしますね。

(文=永福ランプ<清水草一>)

「レクサスUX」のリアビュー。フロントとは異なり、他のレクサス車とは趣の異なる意匠に仕上げられている。
「レクサスUX」のリアビュー。フロントとは異なり、他のレクサス車とは趣の異なる意匠に仕上げられている。拡大
両端がフィンのように立てられたテールランプ。
明照寺:「見た限りでは、型と型の間にできるパーティングラインが見当たらなかったんですけど、どうやって成形しているんですかね?」
両端がフィンのように立てられたテールランプ。
	明照寺:「見た限りでは、型と型の間にできるパーティングラインが見当たらなかったんですけど、どうやって成形しているんですかね?」拡大
テールランプには120個ものLEDを使い、光源の存在を感じさせない、コンセプトカーを思わせる均一な光を実現している。
テールランプには120個ものLEDを使い、光源の存在を感じさせない、コンセプトカーを思わせる均一な光を実現している。拡大
「レクサスUX」と同じ、GA-Cプラットフォームを用いて開発された「トヨタC-HR」。エッジの効いた大胆なデザインが特徴のコンパクトSUVだ。
「レクサスUX」と同じ、GA-Cプラットフォームを用いて開発された「トヨタC-HR」。エッジの効いた大胆なデザインが特徴のコンパクトSUVだ。拡大
リアまわりを横から見たところ。突き出したバンパーを除いて見ても、リアまわりのピークはテールゲートの下。ウエッジシェイプのキャラクターラインから想像するより、やや低い位置にボリュームが与えられているのが分かる。
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永福:「トヨタ車でハッチバックボディーで“垂れ尻”論争って……」
ほった:「……なんだか、『カローラ スポーツ』の回(第9回・第10回参照)を思い出しますね」
永福:「トヨタ車でハッチバックボディーで“垂れ尻”論争って……」
	ほった:「……なんだか、『カローラ スポーツ』の回(第9回・第10回参照)を思い出しますね」拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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