周辺技術の向上もマスト

一方、新型の自動運転実験車「TRI-P4」を公開したトヨタは、プレスカンファレンスを実施したのみだったが、自動運転の公道テスト中のもらい事故の動画も公開。そのうえで、事故を避けるための「ガーディアン」と呼ばれる新たな運転支援技術を紹介した。このガーディアンは戦闘機の制御技術にヒントを得たもので、ドライバー(人間)が常にクルマをコントロールすることを前提に、事故の瞬間が迫ってきたときにはドライバーによる操作と協調しつつ正確に事故を回避するという。

ヴァレオもレベル3での自動運転中にドライバーが病気などで意識を失ったときに、遠隔地の管理者がリモートコントロールでクルマを安全に停車させるデモを行った。「自動運転中にどう安全性を確保するか」という、よりリアルなアクシデントを想定した技術開発を進めていたのだ。

興味深いのは、自動運転技術ではマストアイテムとなるカメラである。CES 2019の会場では、その表面の汚れを落とす技術が、クラリオンやヴァレオなど複数のサプライヤーから提案されていた。地味ではあるが、カメラの汚れや雨の水滴を除去する技術も、自動運転の実現には必須なのだ。

ほかにも、より高機能な運転支援を実現させるためのCPUとソフトをNVIDIA(エヌビディア)が発表。シェフラーのブースには箱型EVを実現させるインホイールモーターのサスペンションが展示された。

デンソーは、自動運転におけるコネクテッド環境をより安全に確立するための「モビリティIoTコア」という技術を、アイシンは顔認識機能を活用して乗員の疲れを癒やすマッサージ機能などを提案。さらにマグナが、ロングドライブから自動運転中までシートアレンジが変化する機能を紹介。ドライバーをモニタリングするシステムの展示も、会場のあちらこちらで確認することができた。

つまり、クルマを自動で走らせるための基本的な技術には目鼻がついているのだ。あとは周辺技術だけ。自動運転の実用化に向けて、世の中は一歩一歩前進している。そう感じたCESの取材だった。

(文と写真=鈴木ケンイチ/編集=関 顕也)

トヨタが出展した自動運転の実験車両「TRI-P4」。戦闘機の制御技術にヒントを得た高度暗転運転支援システム「ガーディアン」により、人間の危険回避能力を増大させるとうたわれる。
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ヴァレオは会場最寄りの駐車場にてデモ走行を実施。管理者によるリモート走行などを披露した。
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ヤマハによる自動運転のデモ。顔認証で予約、乗員によるジェスチャーで発進・停止を行う。
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ZFのコンセプトカーは、自動運転のレベル0から4までに対応。運転席もあり、実際に走れるのだ。
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