先行するドイツ勢に追いつけるか?

この車両の特徴は、各輪にモーターを搭載しているためドライブシャフトが存在しないことを生かし、車輪を真横に操舵できること。それによって車両を真横に動かしたり、あるいは前輪を右向きに、後輪を左向きにすることでその場で回転するような動きをしたり、というような従来の車両では不可能な動きが可能になる。

加えて、車両に前後方向の区別がないので、前進と後退の区別もない。こうした特徴は狭い路地などで入ってきた道からそのまま戻ったり、前後のスペースに余裕がない場所で縦列駐車をしたりするのに威力を発揮する。シェフラーは現在のところ車両そのものの製造に乗り出す計画はなく、こういう車両を製造するのは同社の技術力をアピールし、ビジネスパートナーを探すのが目的だとしている。

これらドイツ勢だけでなく、日本メーカーでもデンソーやトヨタ紡織、アイシン精機、パナソニックなどが移動サービス向け車両を意識した展示をしていたが、コンセプトの完成度という点では、残念ながらドイツ勢には及ばなかった。こうした自動運転EVを使った移動サービスは、トヨタ自動車やフォルクスワーゲンをはじめ、完成車メーカー各社も2020年代初頭の商業化を目指しており、完成車メーカー、部品メーカー入り乱れての競合が激しくなりそうだ。

(文と写真=鶴原吉郎<オートインサイト>/編集=堀田剛資)

独シェフラーが走行デモを実施した試作車「Schaeffler Mover」。車輪を90度回転させ、真横に動くことが可能となっている。
独シェフラーが走行デモを実施した試作車「Schaeffler Mover」。車輪を90度回転させ、真横に動くことが可能となっている。拡大
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