時代の趨勢に取り残されつつある

デトロイトショーは長年、「強いアメリカ」を象徴する新車博覧会であった。ビッグスリーはさまざまなブランドでコンセプトカーや新型車を発表し、最高出力や運動性能を競い合った。プレスカンファレンスはさながらアトラクションのようで、“音”や“動き”によって新型車両の魅力をアピールした。そんな自動車大国アメリカの持つ巨大なパワーに引き寄せられるかのように、欧州をはじめ世界中の自動車メーカーが新型車をデトロイトで発表した。

しかし、近年では自動車に求められるのがパワーや運動性能だけでなくなり、自動運転やEVといった技術が注目されるようになった。そして、それらの発表は1月上旬に開催される家電ショーCESへと移りつつある。加えて、世界的に環境問題への関心が高まる中、「より大きいクルマが好まれる」デトロイトショーは、時代の趨勢(すうせい)に取り残されつつあるという印象を強めた。

そんなデトロイトショーは、来年(2020年)より開催時期を6月に変更する。毎年のように記録的な寒さに見舞われる1月に比べると、緑豊かな初夏のデトロイトはベストシーズンともいえるが、アメリカでは2月にシカゴ、4月にニューヨークと、国際的な2つの自動車ショーが行われる。これまでのデトロイトショーは、アメリカ自動車産業界にとっての新年会のような意味合いも持っていた。開催時期の変更はショーの役割に変化をもたらし、デトロイトは息を吹き返すのだろうか。それとも国際ショーとしての役目を終え、米国内で無数に行われる中規模都市のモーターショーとして続いていくのか。アメリカを象徴するショーの行き先が気になる。

(文=佐橋健太郎/写真=佐藤靖彦、佐橋健太郎、FCA、トヨタ自動車、ゼネラルモーターズ、フォード/編集=堀田剛資)

ピックアップトラックやSUV、パワフルなスポーツモデルなど、「より大きいクルマ」が好まれる傾向にあるデトロイトショーは、同時期に開催される先進技術の見本市「CES」の台頭もあり、時代の流れに取り残されつつあるのかもしれない。
ピックアップトラックやSUV、パワフルなスポーツモデルなど、「より大きいクルマ」が好まれる傾向にあるデトロイトショーは、同時期に開催される先進技術の見本市「CES」の台頭もあり、時代の流れに取り残されつつあるのかもしれない。拡大
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