ボルボXC60 T8 Twin Engine AWDインスクリプション(4WD/8AT)
オシャレ系とは言わせない 2019.02.04 試乗記 「ボルボで雪道を存分に楽しみませんか?」 そんな魅力的な話に誘われ北海道までやっては来たものの、路面にほとんど雪は無し。ややガッカリした気分で始まったテストドライブは、突然降り出した大雪によって予想外の結末を迎えるのだった。ACCとパイロットアシストは強力
冬の北海道をボルボで走る。その情報だけを持って新千歳空港に到着すると、用意されていたのは「XC60 T8 Twin Engine AWDインスクリプション」。一昨年のカー・オブ・ザ・イヤー受賞車である。しかも最上級グレードだ。2リッター直4ターボエンジンに2つのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドカーで、4WD機構を備えている。企画にピッタリのクルマではないか。
喜んでいたのは駐車場にいた間だけで、しばらく走ると大いに落胆した。クルマに不満があったのではない。天気が良すぎるのだ。空を見上げると絵に描いたような青空が広がる。路面は完全に除雪されていて、高速道路に乗っても完全なドライだ。これでは東京で試乗するのと変わらない。はるばる北海道までやってきたのは、雪道での性能を知りたかったからなのに。
文句を言っても仕方がないので、全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)とパイロットアシスト(車線維持支援機能)を使ってクルージングする。加減速のアグレッシブさとレーンキープの強力さは健在だ。長距離ドライブの疲労軽減には多大な効果がある。前の車が加速した時になかなかついていけなかったり、車線からはみ出しそうでヒヤヒヤしたりするようなシロモノでは困るのだ。実際に中途半端な機能のシステムも存在していて、そういうクルマに乗ると余計に気を遣うことになって疲れてしまう。
シンプルな意匠のインテリアは高級感を誇示するようないやらしさがなく、淡泊な上質さがある。前後席シートヒーターとハンドルヒーターで暖かな環境が作られるから、乗り込んですぐに居心地のいい車内空間が出現した。前席シートにはマッサージ機能まで付いているという、至れり尽くせりのおもてなしだ。