そもそもスカンジナビアデザインとは?

新世代ボルボのデザインは、どんな要素で成り立ち、そして新しいボルボに見えるのか。ペイジ氏に質問をぶつけた。

「われわれが考えるボルボのデザインには、大きく分けて3つの要素があります。ひとつは“プレミアムファクター”で、プロポーションとディテール、室内のパーツ一つひとつにまで注意を払った意匠と質感の構築です。2つ目は“安全性”。ボルボといえば安全性とイコールと言っても過言ではありません。そして3つ目が“北欧のライフスタイル”。自然とのつながりをもってアクティビティーを楽しむ文化を取り入れたデザインがそれに相当します」

こうした要素の積み重ねが、新しいデザイン言語を生み出したのだろう。そして、ボルボといえば、スカンジナビアデザインだ。われわれが漠然と持っているスカンジナビアデザインをどのようにして製品に映し出すのか。

「例えば、V60のインテリアに、ドリフトウッド(海岸などに打ち上げられた流木)のイメージを使用したのもその一例です。また、夏と冬とでは太陽の位置が異なるため、北欧では特に影の長さが違いますよね。そうした陰影もクルマのデザインには必要な要素だと考えています。しかし、それだけではありません。クリエイティビティーもスカンジナビアデザインを構築するうえで大切なカギのひとつ。ポップでカラフルなのも特徴ですし、先進性や機能性も持ち合わせています」

具体的な例として挙がったのは、前者がXC40の、ペットボトルをリサイクルして作られた鮮やかなカラーを採用したカーペットであり、後者はドアにスピーカーのウーファーを設置せず、かわりにフロントウィンドウ下(ボンネット内)に「エアウーファーテクノロジー」とボルボが呼ぶスピーカーシステムを搭載したものだった。

スカンジナビアデザインはイメージだけでなく、論理的に説明できることをあらためて学んだのだ。

(文=櫻井健一/写真=ボルボ・カー・ジャパン/編集=櫻井健一)

現行モデルのアイコンともいえるヘッドライトのトールハンマーデザインは、モデルによって形状を変更しているのだという。
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新世代デザインのキーポイントについて語るペイジ氏。世界3カ所の拠点にいる約300人のデザインスタッフを束ねる。
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