地獄がなければ天国もない
ところが、大井松田で3車線から2車線に戻るもんだから、地獄の渋滞は大井松田が先頭に。3車線の下り勾配カーブの先にいきなり渋滞の列が現れるんで、マジで怖かった。そこに突っ込む事故が頻発したもんです。
その地獄が終わったのは1995年。大井松田-厚木間が、上下線とも3車線に拡幅完成! これは本当にうれしかった。取りあえずクネクネカーブ区間での渋滞はほぼ解消! ただし、すべての渋滞が綾瀬バス停付近先頭に集約されました。
綾瀬バス停付近には、2003年に付加車線ができたけど、今度は渋滞の先頭が大和トンネルに移動。なんだか渋滞の話ばっかり書いてるけど、東名の歴史は渋滞の歴史みたいなもんなのです。あとは深夜の暴走トラックかな。そっちは、大型トラックへのスピードリミッターの導入(2003年)で徐々に改善されましたが、今度は逆に大型車同士の「ノロノロ追い越し地獄」が出現。結局東名って地獄なのか……。
いやいや、地獄だったからこそ、改良が完成した時はヨロコビもひとしおでした。地獄がなければ天国もないってことですね。地獄さんありがとう(仏の境地)。
東名の最大の天国出現は、2012年の新東名の開通でした! 東名の全線開通から43年、私が免許を取ってから32年、ついに東名がダブルネットワークになったのです(浜松いなさ-豊田東間の開通は2016年)!
思えば道路公団民営化議論の当時は、「第二東名は『戦艦大和』級のムダ」などとマスコミにたたかれまくりました。私は隅っこでほそぼそと「第二東名は必要だ」って書いてたけど。要らないって書いてる記者たちって、東名を一度も自分で走ったことがないんじゃないか!? って感じでしたよ。
とにかく、東名ほど酷使され、使い倒されまくった高速道路は、世界中にないでしょう。東海道ベルト地帯の断面輸送量は世界一だっつーからね。こんなに一直線上に大都市が並んでいるところは、世界中に他にないので。
そんな地域を1本で支え続けた東名高速道路は、本当によく働いてくれました。本当にお疲れさま。今後もよろしくお願いします。
(文=清水草一/写真=清水草一、NEXCO中日本/編集=藤沢 勝)
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