AMGにとって“GT”はスポーツカーの証し

ライバル車の想定に関しては、トムス氏が言うことも理解できる一方で、他ブランドよりもむしろ「S63」や「E63」といった同社が擁する他の4ドアモデルとのすみ分けが気になった。

しかし、世界初のAMG専売ディーラーとして誕生した「AMG東京世田谷」に置かれた実車には、想像以上に“AMG独自開発モデル”のオーラがあった。ちまたで言われているような“ちょっと大きな「CLS」”などではない。既存のメルセデス・ベンツのラインナップをAMG化したモデルとは異なる“特別なAMG”を感じることができた。

「普通のベンツじゃ嫌だ」というユーザーがAMGを指名するのだと思っていたが、どうやら顧客の欲求はすでにその先に進み、「普通の(メルセデスがベースの)AMGではつまらない」になっているようだ。そうしたところに、このクルマの特別感が光る。確かにありそうでなかった隙間を埋めるモデルだ。ベースを持たない独自開発モデルというだけでも、好事家は食指を動かしそうだ。

AMG GTクーペ(2ドア)とともにこのモデルも同じ“AMG GTクーペ”を名乗るが、2ドアクーペがトランスアクスルレイアウトを採用するのに対して、4ドアクーペではエンジン直後にトランスミッションを置く。同じ車名、シリーズと言ってもいいラインナップなのに、AMG GTクーペ(2ドア)のメカニズムをそのまま単純に移植したわけではない。

「車名の“GT”は、私たちのブランドではスポーツカーに与えられるネーミングです。したがって、メカニズムが異なっていても、そのカテゴリーでトップとなるモデルであれば、“GT”を名乗ります。将来的には他のカテゴリーの新たなる“GT”が誕生するかもしれません(笑)」

車名の“GT”から、どうしても派生モデルや姉妹車といったイメージを持ちがちだが、たとえメカニズムが異なっていてもAMG独自のスポーツカー、すなわちそのクラスを代表するモデルにはドアの枚数に関係なく、トップであることを示すために“GT”という車名が使われると解釈すれば、腑(ふ)に落ちる。

発表イベントのあと、報道陣のインタビューに応じてくれたサイモン・トムス氏。丁寧に言葉を選び、まじめな人柄を感じさせた。
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日本導入記念モデルとして発売される「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+エディション1」。価格は2477万円と発表されている。
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「AMG GT 4ドアクーペ」のインテリア。12.3インチのワイドディスプレイを2枚並べたメーターパネルが目を引く。V8エンジンをモチーフとした、新しいシフトレバーまわりのデザインは、「AMG GTクーペ」(2ドア)のマイナーチェンジモデルにも採用されている。
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「エディション1」は4人乗りで、後席シートバックは固定式となる(他モデルは分割可倒式のリアシートを採用)。荷室容量は461リッターで、ゴルフバッグ2セットを搭載可能だという。
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