車内空間はそこまで犠牲になってない

永福:まず、「こういうのは、普通はハネられるデザインだ」という点を、もう少しわかりやすく。

明照寺:この形状を実現させるためには、まずキャビン部を寝かせて斜めにする必要があります。でも、実用性を考えたらなるべくガラス面は寝かせられない。そのせめぎあいで、普通はCピラーとその下の形状との結合部が凹角になるんですよ。そこが、マツダ3ではCピラーとリアのフレアの結合部が本当に浅い角度で、さらに大きなRがついて一体に見えるように処理されている。普通のCセグメントを考えると、「これは無理じゃないの?」っていうことを実現しているんです。造形シロが多いスーパーカーとかなら別ですけど。

永福:「ラゲッジルームあたりの幅を狭く絞ってしまえばできるけど」とか、そういうことですか?

明照寺:そうです。サイドガラスを斜めに倒しつつ、後ろにも倒してしまわないと、こんなスムーズには行きづらいんです。非常に難しいパッケージングに挑戦していると思います。

永福:ただ、居住性はそれなりに犠牲になってますよね?

明照寺:そうですね、リアシートに乗ってみましたけど、リアのトリム類が多少迫って感じました。でも、外観から想像するよりはかなり“使える”と思います。

永福:ハッチバックはリアサイドウィンドウの上下がうんと絞られてますよね。僕はハッチバックの後席には座ってませんけど、閉塞(へいそく)感はそんなに強くないですか?

明照寺:想像していたよりはよかったです。「トヨタC-HR」より圧迫感はないかな。

永福:そのC-HRが売れまくってるんだから、大丈夫って言えますかね(笑)。

現行型「アクセラスポーツ」のリアビュー。ショルダーラインの上、Cピラーの付け根に凹角の“折り目”がある。
現行型「アクセラスポーツ」のリアビュー。ショルダーラインの上、Cピラーの付け根に凹角の“折り目”がある。拡大
新型「マツダ3ハッチバック」のリアビュー。リアのフェンダーパネルからCピラーにかけての面に折れ目はなく、わずかに凹面のRがついているだけだ。
新型「マツダ3ハッチバック」のリアビュー。リアのフェンダーパネルからCピラーにかけての面に折れ目はなく、わずかに凹面のRがついているだけだ。拡大
東京オートサロンで展示されていた新型「マツダ3ハッチバック」のリアシート。外観から想像されるよりは、実用的な空間が確保されている。
東京オートサロンで展示されていた新型「マツダ3ハッチバック」のリアシート。外観から想像されるよりは、実用的な空間が確保されている。拡大
2016年末に発売された「トヨタC-HR」。デザインのために荷室も後席スペースもがっつり犠牲にされているが、日本国内でバカ売れ。2017年、2018年と、2年連続でSUVの年間販売台数No.1に輝いている。
2016年末に発売された「トヨタC-HR」。デザインのために荷室も後席スペースもがっつり犠牲にされているが、日本国内でバカ売れ。2017年、2018年と、2年連続でSUVの年間販売台数No.1に輝いている。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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