つくり手は「カップ」がおすすめ?

ルノー・スポールのテストドライバーを務めるロラン・ウルゴン氏の助手席で同乗試乗した。コーナーの手前からクルマを斜めに向け、スライドを巧みにコントロールしながら勢いよく加速していく。思わず足を突っ張って体を振られないように耐えていると、うれしそうに笑顔を向けるのだ。楽しませようとしてわざとやっているのだろうが、おちゃめすぎる。

これまで何度もテストドライバーが運転するクルマの助手席に乗ってきたが、こういうタイプは初めてである。普通はしっかりとタイヤをグリップさせ、安全のマージンをとって走るものだ。市販車にはどういう人が乗るのかわからないのだから、運転スキルのレベルによらずドライブを楽しめるように仕上げることが求められる。テールを流しながら華麗に舞うような走りを誰もができるわけではない。

テストドライバーはごく普通の走りで問題点を洗い出すのが仕事なのだ。だから、通常はメディアの人間を乗せて運転する時もその姿勢を崩さないが、ウルゴン氏は「どうです? 楽しいでしょう!」とでも言いたげにアピールしてくる。どうやら、彼は自分が楽しめるハンドリングを追求してメガーヌR.S.の方向性を定めたようだ。会場に同席したシャシー開発のフィリップ・メリメ氏とのコンビで、妥協のないスポーツモデルを作り上げた。

ならば、ノーマルのR.S.とR.S.カップでは、どちらがオススメなのか。メリメ氏は「お客さんを増やすには、EDCモデルが必要です。誰にでもR.S.を運転してほしいと思っています」と話した。自分たちが開発した商品なのだから優劣をつけることができないのは当然だが、言外にR.S.カップを推しているように聞こえたことは否定できない。

ただし、走りを最優先しているのだからデメリットも生じる。サーキットの滑らかな路面では問題はなかったが、市街地では事情が変わってくるだろう。その点、ウルゴン氏は「日常では使えない、というほどではないけれど……」と微妙な表現をした。ある程度の覚悟は必要だと思われる。

コーナリング時の路面追従性を追求した「メガーヌR.S.カップ」では、サスペンションのスプリングレートが「メガーヌR.S.」のものよりも高められている。


	コーナリング時の路面追従性を追求した「メガーヌR.S.カップ」では、サスペンションのスプリングレートが「メガーヌR.S.」のものよりも高められている。
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ルノー・スポールのテストドライバーを務めるロラン・ウルゴン氏。ハイパフォーマンスモデル開発のキーマンであり、サーキットにおけるそれらのタイムアタックも担当する。
ルノー・スポールのテストドライバーを務めるロラン・ウルゴン氏。ハイパフォーマンスモデル開発のキーマンであり、サーキットにおけるそれらのタイムアタックも担当する。拡大
ウルゴン氏によれば、「サーキットやワインディングロードでAT仕様とMT仕様のどちらが速く走れるかは、道次第」とのこと。変速スピードはATに分があるが、車重はMT車の方が軽い。その特性をコース上でどう生かせるかにかかっているという。
ウルゴン氏によれば、「サーキットやワインディングロードでAT仕様とMT仕様のどちらが速く走れるかは、道次第」とのこと。変速スピードはATに分があるが、車重はMT車の方が軽い。その特性をコース上でどう生かせるかにかかっているという。拡大
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