ゴルフの良さはそのままに
フォルクスワーゲンe-ゴルフ プレミアム……534万9000円

どうにもシックリこない「プジョー308SW」のi-Cockpit(iコックピット)も、30分ぐらいで慣れるし、これはこれでアリ? と思い込もうとしたというのが、前回までのおハナシ(第2回:輸入車チョイ乗りリポート~フランス編~の続きです)。ところが、次の試乗車であるe-ゴルフに乗ったとたん、「やっぱりiコックピットはナシ。絶対無理」と振り出しに戻る。

シートに座ったとたんピタリとくるポジションに感心し、好ましいメーターのデザインと視認性に納得。走り出せば視界の良さと四隅のつかみやすさに舌を巻く。やはりクルマはこうでないと。少なくとも自分自身の体を使って動かすものは、機械のほうが人に合わせてくれなければコントロール性が低下する。「人間がクルマに合わせればいいんだよ」と笑えたのはUIの概念などなかった1980年代のフェラーリまで。よくもまあ、あんなドラポジでサーキットを走っていたものだと、それはまた別の意味で感心するが。

ともかくクルマはドラポジが適正でないと、運転の面白みが半減するどころか、運転自体がストレスになる。手前勝手な持論だが大きくは間違っていないだろう。翻って、パワートレインが電動化されたe-ゴルフであっても、ゴルフの良いところはそのままだったのだ(当たり前だが)。

最高出力136ps、最大トルク290Nmを発生するパワートレインは、何度乗ってもインパクト大だ。モーター駆動によるゼロ発進から味わえる最大トルクは、800psのスーパーカーでもかなわない。重心が低くゴーカート感覚のハンドリングも独特で、しかし乗り心地をスポイルしないのはこのクルマの美点だ。

けれど、スマホの電池残量が減るだけで、不安というかなんだか嫌な気持ちになってしまう狭量な自分にとって、電気100%で動くクルマは、いかに「航続距離が40%アップしました!」と宣伝されても(それは別のクルマか)、なかなか選べるものではない。

ただ、「ウチのブースは全車電動化モデルです」という“2019ジュネーブ春の電化祭り状態”を見るにつけ(今年のジュネーブモーターショーです)、いちいち毛嫌いしている場合ではないかも、と別の意味で不安に。EV専用モデルは、専用だけに洗練されているのだろうが、独創的すぎても困る。ガラケーからスマホにステップアップしてきたように、電化初心者にはガソリン車ベースのEVから始めて体を慣れさせるほうが……と新型登場も秒読み段階の今、e-ゴルフのカタログを眺めつつ思ったりするのである。

(文=webCG 櫻井/写真=田村 弥)

フォルクスワーゲンe-ゴルフ プレミアム
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