日本の勇壮な祭りのように

「ドライバーが搭乗する1分の1のラジコンレース」という印象を抱きがちなフォーミュラEだが、いざレースが始まると、やはり見応えのあるものだ。

確かに、エンジン搭載型フォーミュラによる従来のレースと違い、迫力あるサウンドは聞こえず、マシンのスピードもF3程度のレベルにすぎないが、スタートからチェッカーまで、激しい接近戦が展開される。しかも、観客席からマシンまでの距離が近いことから、博多の祇園山笠や岸和田のだんじり祭りのように、疾走感のあるストリートファイトが間近で体感できるのだ。

フォーミュラEは基本的に、2回の練習走行、4グループに分けて争われる予選、そして45分間の決勝ともにワンデーで行われることもポイントで、朝の練習走行から夕方の表彰式まで間延びすることなく、密度の高い一日を楽しめる。チーム関係者からの評価も高く、アウディで開発を担うブノワ・トレルイエによれば「ドライバーもチームもミスができないけれど、ワンデー開催は新しいスタイルで、ユニークなチャレンジだと思う」とのことだった。

今回の香港E-Prixも、朝から雨にたたられたものの、公式練習から激しいタイム争いが展開された。結果、HWAレースラボの5号車を駆るストフェル・バンドールンが予選でトップタイムをたたき出し、予選の上位6台で争われるスーパーポールを制し、ポールポジションを獲得した。決勝でもスタート直後から激しいバトルが展開され、レース序盤で多重クラッシュが発生。赤旗中断となるなどサバイバルレースが展開され、その後もマシントブラルやクラッシュで戦線を離脱する車両が続出した。

そんな波乱のレースを制したのは、ヴェンチュリーのエドアルド・モルタラ。これが自身初優勝だった。前述のように、アタックモードやファンブーストの使い方で大きくリザルトが変わるフォーミュラEのレース。今後も各ラウンドで熱いバトルが展開され、最終戦まで激しいタイトル争いが続いていくことだろう。

(文と写真=廣本 泉/編集=関 顕也)

元F1ドライバーのフェリッペ・マッサもヴェンチュリーよりエントリー。そのほか、ネルソン・ピケJr.やパスカル・ウェーレインなど豪華メンバーが集うものの、彼らでも勝つことが難しい特殊なカテゴリーとなっている。
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タイヤはミシュランのワンメイク。1スペックですべてのコースと天候に対応可能で、市販タイヤに近い性格を有している。ちなみに、市販モデル「パイロットスポーツ」シリーズの次期型には、フォーミュラEで得たデータがフィードバックされる予定だ。
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2019年からは、フォーミュラEのサポートレースとしてジャガーの新型EVモデルによるワンメイクレース「Iペース eトロフィー」が開催されている。プロアマ混走のレースで、同レースでも激しいバトルが展開される。ちなみにセーフティーカーはプラグインハイブリッドスポーツ「BMW i8」。
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