全方位的にマツダのほうが一枚上手

マツダ3とカローラ スポーツ、買うならどっちか。

それはもう、言わずもがなだろう。マツダ3に決まっている。カローラ スポーツはよくできたクルマだけれど、積極的に選ぶ理由はない。個人的な評価は、デザイン65点、シャシー80点、パワートレイン75点、居住性70点というところだろうか。選ぶ理由があるとしたら、「トヨタディーラーの手厚いおもてなし」くらいだが、カーマニアたるもの、それを理由にクルマを選ぶなどありえない。

一方のマツダ3は、ハッチバックに限っての話だが、選ぶ理由だらけだ。まずデザインがシンプルでとても美しい。なによりも志が高い。デザイナーがいったい何を意図してこういうカタマリをつくったのか、じっくり対話してみたい気持ちにさせられる。現時点でのデザイン評価は90点。

シャシーも意欲的だ。リアサスをあえてトーションビームに変更した理由など、洗脳かもしれないが(?)目からウロコだった。そして「G-ベクタリングコントロール プラス」。少なくとも雪の上では、その効果をはっきり体感できた。マツダ3に乗っていれば、じっくりじわじわと感動を味わえるんじゃないかという期待が高まっている。シャシーも90点。

パワートレインもスゴい。なにせSKYACTIV-XとSKYACTIV-D、そしてただのSKYACTIV-Gの3種類のSKYACTIVから選ぶことができるのだ(たぶん)。どれを選べばいいのかわからないというのは、内燃機関フェチとしてうれしい悲鳴。乗り比べるのが楽しみだ。これまた90点。

居住性は70点でカローラ スポーツと同じだが、つまりカローラ スポーツがマツダ3を上回っている要素は、手厚いディーラーサービスだけということになる。それもまぁ、わが家の近所のマツダディーラーは、2カ所ともレクサス店みたいに黒く模様替えを終了していて、エリート気分はトヨタ系より上。この2台を比較すれば、文句なくマツダ3の勝ちになる。

じゃ本当にマツダ3を買うかといえば、たぶん買わないとは思うのですが……。やっぱり普段使いするハッチバックとしては、全幅が広すぎて、特に車庫での乗り降りが不便なのです。ドアがあんまり開かなくなっちゃうので。グローバルモデル共通の急所ですね。

(清水草一)

新型「マツダ3」のデザインはプレスラインを極力廃した、シンプルで意欲的なものだ。
新型「マツダ3」のデザインはプレスラインを極力廃した、シンプルで意欲的なものだ。拡大
北海道にあるマツダの剣淵試験場で行われた、雪上試乗会の様子。
北海道にあるマツダの剣淵試験場で行われた、雪上試乗会の様子。拡大
北米仕様の新型「マツダ3」のインテリア。車内空間についてはややデザインの犠牲になっている感はあるが、その点は「トヨタ・カローラ スポーツ」も同じだ。
北米仕様の新型「マツダ3」のインテリア。車内空間についてはややデザインの犠牲になっている感はあるが、その点は「トヨタ・カローラ スポーツ」も同じだ。拡大
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