EVを造るマツダが試算

マツダは、2019年3月5日に九州大学で開催された「日本LCA学会研究発表会」において、「LCAによる内燃機関自動車とBEV(電気自動車)のCO2排出量の算定」を発表した。

これは、製造から使用、破棄までの“クルマの一生”で排出される二酸化炭素を、内燃機関を搭載する自動車とEVとで比較したというもの。しかも日本国内だけに限らず、欧州、アメリカ、中国、オーストラリアも対象とした5地域での比較だった。研究は、LCA研究の大家である工学院大学の稲葉 敦教授の監修のもとで行われた。ちなみにマツダは「2020年にオリジナルのEVを市販する」と明言している。前提として内燃機関推し一辺倒なのではなく、EVと内燃機関搭載車の両方を扱うメーカーというフェアな立場になっている点にも注目だ。

比較対象となった車種は、「マツダ3」のガソリン車とディーゼル車、そしてフォルクスワーゲンのピュアEV「e-ゴルフ」だ。リチウムイオン電池の製造時に発生する二酸化炭素量のデータは、複数あるものの平均値とした。走行時の燃費と電費はカタログ値。中国とオーストラリアではe-ゴルフが発売されていないため、欧州の数値を利用。各国の電源構成は2013年のデータを使用。車両のライフサイクルについては、走行16万kmでバッテリーを交換し、走行20万kmで破棄。こういった前提条件で、新車時から廃棄時までの二酸化炭素排出量を計算したのだ。


算出した二酸化炭素量をひとつのグラフに重ね合わせると、どこの国でも似たようなものになった。新車時での二酸化炭素排出量は、EVの方が高い。しかし、走行を重ねるに従って、内燃機関のクルマの二酸化炭素量が多くなっていき、あるところで逆転する。発電時の二酸化炭素排出量が少なく、内燃機関車のカタログ燃費値が悪いほど逆転のタイミングは早くなる。燃費が良ければ、逆転の時は遅くなる。

日本では2019年初夏の発売がうわさされる新型「マツダ3」。従来型のガソリンおよびディーゼルエンジンに加えて、燃焼効率に優れる火花点火制御圧縮着火を用いたガソリンエンジン「スカイアクティブX」もラインナップされる。
日本では2019年初夏の発売がうわさされる新型「マツダ3」。従来型のガソリンおよびディーゼルエンジンに加えて、燃焼効率に優れる火花点火制御圧縮着火を用いたガソリンエンジン「スカイアクティブX」もラインナップされる。拡大
2013年9月のフランクフルトモーターショーでデビューした、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」のピュアEVバージョン「e-ゴルフ」。満充電で301kmの航続が可能となっている。写真は2018年7月に国内で発売された特別仕様車「e-ゴルフ プレミアム」。
2013年9月のフランクフルトモーターショーでデビューした、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」のピュアEVバージョン「e-ゴルフ」。満充電で301kmの航続が可能となっている。写真は2018年7月に国内で発売された特別仕様車「e-ゴルフ プレミアム」。拡大
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