ついに自動車関連ページへ

日本のワイドショー的な取り上げ方をしていたのは『ラ・ナツィオーネ』紙だ。11月20日、1ページ目のヘッドラインに続き、10ページ目で1ページまるごとを割いた。

事件を報じたあと、「電気自動車で販売台数世界一の『日産リーフ』をはじめ、さまざまなモデルの企画に貢献した」と紹介している。写真もモーターショーで運転席に座るゴーン氏のものと、緊急会見における西川氏のものとを、いずれも大きくカラーで掲載している。ちなみに後者は西川氏が頭を下げた瞬間にカメラマンたちがシャッターを切っている様子を、いわば第三者的視点で撮影している。海外メディア好みの構図である。

ただし、『ラ・ナツィオーネ』紙は大衆紙的色彩が強い新聞である。イタリアの大半の主要メディアは、前述の『イル・ソーレ24オーレ』『コリエッレ・デッラ・セーラ』のように、極めて冷静な報道姿勢であった。

2019年4月4日の再逮捕においても、『イル・ソーレ24オーレ』電子版は二十数行の記事とアンサ通信社配給による短い動画のみである。『コリエッレ・デッラ・セーラ』電子版に至っては、2019年3月の保釈以降まったく取り上げていない。『ラ・ナツィオーネ』は経済欄ではなく、もはや新車情報がメインの自動車関連ページでの扱いだ。

カルロス・ゴーン氏(左)と、ルノーのデザイン本部長ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏。2016年9月、パリ・モーターショーでコンセプトカー「トレゾール」とともに。
カルロス・ゴーン氏(左)と、ルノーのデザイン本部長ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏。2016年9月、パリ・モーターショーでコンセプトカー「トレゾール」とともに。拡大
2014年パリモーターショーで。
2014年パリモーターショーで。拡大
大矢 アキオ

大矢 アキオ

コラムニスト。国立音楽大学ヴァイオリン専攻卒にして、二玄社『SUPER CG』元編集記者、そしてイタリア在住21年と脈絡なき人生を歩んできたものの、おかげで妙に顔が広い。今日、日本を代表するイタリア文化コメンテーターとして執筆活動に携わると共に、NHKラジオフランス語テキストでも活躍中。10年以上にわたるNHK『ラジオ深夜便』レギュラーリポーター、FM横浜『ザ・モーターウィークリー』季節ゲストなど、ラジオでも奮闘している。『Hotするイタリア』『イタリア発シアワセの秘密 ― 笑って! 愛して! トスカーナの平日』(ともに二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(ともに光人社)、電子書籍『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

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