BMW Z4 M40i(FR/8AT)
バイエルンからの刺客 2019.04.17 試乗記 新型となった「BMW Z4」の実力を探るべく、3リッター直6エンジンを積んだ上級グレード「M40i」に試乗。端々に初代モデルへの回帰が感じられる3代目は、ライバル「ポルシェ718ボクスター」の存在を脅かすのに十分な実力を備えていた。ソフトトップに“原点回帰”
直列6気筒のパワーユニットを収めることを誇示するかのように、スラリと伸びた長いノーズセクション。後輪直前にレイアウトされた2人のための小さなキャビン――そんなプロポーションが目を引く個性的かつ情欲的なスタイリングを備えた初代のZ4は、コンパクトでスポーティーなモデルが”大好物”な自分にとっては、当然ながら何とも魅力的な存在に映ったものだ。
それがFRレイアウトの持ち主であったことも、もちろんポジティブな要因のひとつ。正直なところ「ルーフが開く」ことは“二の次”の要素だったが、そもそもコンパクトで2シーターのスポーツモデルとくれば、それは半ば自動的に「オープンボディーの持ち主」となるのが、初代Z4が誕生した2002年当時の雰囲気でもあった。
それから16年という歳月を経て登場したのが、ここに紹介する3代目のZ4である。この新型は、2代目が採用したリトラクタブル式の凝ったルーフシステムを脱ぎ捨てた、いわば「原点回帰のZ4」とでも呼べそうな内容であることが第一の特徴。それだけでも、初代モデルは手にしながらもクーペとしての快適性と豪華さを欲張った2代目モデルが“圏外”だった自身にとっては、「再度のごちそう!」という印象が強くなる。
今回の試乗はそんな”私情”が混じった気持ちとともにスタートした。