ハズレのない2人の俳優が出演

リハビリセンターを出たものの、ジョンは不自由な生活を強いられる。住み込みの介護人にすべてを頼るしかない。焦燥感は強まるばかりで、むしゃくしゃすると当たり散らす。介護人に怒鳴り散らして酒を買いに行かせ、アル中生活に逆戻り。症状はむしろひどくなったようにも見える。

ジョンは禁酒を決意する。依存症を克服するための集まりに参加し、グループトークでお互いの状況を語り合う。ここでも彼は自己中ぶりを発揮するが、優しくいさめてくれたのが主催者のドニーだ。裕福で何不自由ない暮らしをしているが、実は大きな問題を抱えながら生きているらしい。

キャスティングに触れておこう。ジョンを演じるのはホアキン・フェニックス。リヴァー・フェニックスの弟だが、イケメン度ではちょっと劣る。演技は高く評価されてきたにもかかわらず、2008年に突然ラッパー転向を表明。その後は奇行を繰り返してまわりから心配されるが、それは『容疑者、ホアキン・フェニックス』というモキュメンタリー映画の仕掛けだった。本気で彼を気遣った俳優仲間から総スカンを食ったのは当然だろう。

なんとか許してもらったようで、『ザ・マスター』や『ビューティフル・デイ』などでは振り切った演技を披露。『her/世界でひとつの彼女』で共演してから交際が始まったルーニー・マーラが、この作品でアヌーを演じている。

デクスターはジャック・ブラックで、ドニーはジョナ・ヒル。2人はどちらも出演作にハズレが少ないことで知られる。このキャスティングが実現したことだけでも、成功は保証されたようなもの。ジャック・ブラックはビフォーアフターの変貌ぶりが見事だし、ジョナ・ヒルは太ったキリストのようなルックが新鮮だ。

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第194回:青いビートルが運ぶのは災厄か、それとも幸福か『ドント・ウォーリー』の画像拡大
 
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鈴木 真人

鈴木 真人

名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。

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