機能に徹したマシンを待つファンに

すなわちパジェロは、ジープ開発の技術的ノウハウが惜しみなく投じられた“本物”であった。そして、パリ‐ダカールラリーでの活躍が高機能を実証し、販売に拍車を掛けた。こうしてパジェロやランドクルーザーが人々にとって日常的なものとなり、これが現在のSUVマーケットにつながった。

だが、パジェロの影は次第に薄くなってきたかのように見えた。一口にSUVといっても、CCVの色濃いものから、“ハッチバック車の車高を引き上げただけ”のようなソフトなものまで多岐にわたる。三菱には、「アウトランダー」や「エクリプス クロス」「RVR」と、現代のSUV市場の傾向に合わせたモデルがそろい、ビジネスとしても成功しているように見える。だが、根っからのパジェロファンは現在の“柔和な都市型パジェロ”には違和感を覚え、かつ都会派のSUV乗りは他のモデルを選んだのだろう。

これはパジェロに尊敬の念を抱く者の個人的なざれ言だが、三菱はSUVは他のラインアップに任せ、海外向けのストイックなパジェロスポーツを日本でも販売したなら、それなりの販売成績を示すのではないかと思う。パジェロスポーツは、タフなオフローダーとして長きにわたって頂点に君臨するトヨタ・ランドクルーザーと双璧を成す存在として、機能に徹したマシンを好むファンから支持を受けると確信している。

(文=伊東和彦<Mobi-curators Labo.>/写真=三菱自動車/編集=藤沢 勝)

「パジェロスポーツ」は、現時点では海外専用車種となっている。
「パジェロスポーツ」は、現時点では海外専用車種となっている。拡大
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