ペダルの踏み間違いによる事故を予防する

とはいえ、事故は待ってくれない。当面は高齢者が普通のクルマを運転することを前提にした対策が必要だ。

政府は、2017年から高齢運転者による交通事故防止策の一環として、被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などを搭載したクルマを「セーフティ・サポートカー(サポカー)」と呼称し、広く推奨している。運転支援機能はメーカーごとに名称が異なり、装備内容なども分かりにくかった。これに対し、サポカーは装備の有無に応じて4タイプに分類されており、特に被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置を備えたクルマを、高齢運転者に推奨する自動車「サポカーS」としている。クルマ選びの参考になるだろう。

また、トヨタ自動車は昨年、後付け装着できる「踏み間違い加速抑制システム」を発売した。車体の前後に4つの超音波センサーを装着し、自車の前後約3m以内に壁などの障害物を検知したらブザーとランプで警告、アクセルを踏み込んだ場合には加速を抑制するというもの。想定するのはこんな場面だ。コンビニで買い物を終えて発進しようとしたらなぜかクルマが後退。あわててブレーキをかけたつもりが、間違えてアクセルを踏み込んでしまい、急加速して壁にぶつかった……。このとき踏み間違い加速抑制システムを装着していたら、アクセルを踏み込んでも速度が出ないため、壁にぶつかる前にブレーキを踏んで止まれる。自動停止装置ではないので衝突リスクはゼロではないが、速度が低ければ被害も小さい。

対象車種は限られるものの、クルマを買い替えることなく、わずか5万5080円(取り付け費別)で安全機能を強化できるのは画期的だ。トヨタグループのダイハツも同種のコンセプトの装置を「ペダル踏み間違い時加速抑制装置『つくつく防止』」の名称で発売。こちらは3万4560円(標準取り付け費込みで5万9508円)とさらにリーズナブルだ。

先のコンビニの事例はドライバーがあわてたという設定だが、これは特別なことではない。想定外の方向にクルマが動き出せば、誰もが驚く。問題はそのあとだ。条件反射でブレーキを踏めればよいのだが、認知機能が低下すると判断や行動に時間がかかり、焦ってパニックに陥りやすい。そうなると、ペダル踏み間違えなどのリスクは格段に上がる。また、パニックになった自分にショックを受けて混乱に拍車がかかり、頭が真っ白になってしまうこともあるという。

どんな装備が付いているのかがひと目でわかるのが「サポカー」の区分の特徴。被害軽減ブレーキが付いているクルマは「サポカー」、被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置が付いているクルマが「サポカーS」となっており、さらに「サポカーS」については、被害軽減ブレーキの機能の内容や、その他の装備の充実度に応じて、「サポカーSベーシック」「サポカーSベーシック+」「サポカーSワイド」の3つに分類される。
どんな装備が付いているのかがひと目でわかるのが「サポカー」の区分の特徴。被害軽減ブレーキが付いているクルマは「サポカー」、被害軽減ブレーキとペダル踏み間違い時加速抑制装置が付いているクルマが「サポカーS」となっており、さらに「サポカーS」については、被害軽減ブレーキの機能の内容や、その他の装備の充実度に応じて、「サポカーSベーシック」「サポカーSベーシック+」「サポカーSワイド」の3つに分類される。拡大
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