ドイツ車と日本車に見る“デザインの仕方”の違い

明照寺:立体の基本的な構成を考慮しつつ進化していった結果、面の雰囲気とかキャラクターラインの出し方とか、リアコンビランプなどのディテールの表現も含めて「少しレクサスに近づいたのかな」とは思います。いずれにせよ、ドイツの自動車メーカーは前の型をとても尊重しますよね。BMWだけじゃなくて、ほかのメーカーも。

ほった:ですね。

明照寺:一般的に言って、ドイツ車ってクオリティーが高いじゃないですか。もちろんデザインも。ドイツ車のデザインは改善を繰り返して一歩ずつ前進していきますけど、日本車というか日本の自動車メーカーは、前の型の評価がよほど高かったり、大ヒットしていたりしない限り、逆に前の型との違いを出すのに躍起になるんですよ。そんなに前の型を尊重しない。そこに関してはデザインのスタンスが違う。

永福:そもそもからして、10年、20年前までは、ドイツ車と日本車とじゃ元のデザインのクオリティーが雲泥の差でしたよね。例えば20世紀中の国産高級セダンと、当時のBMWをいま並べて見たら、国産セダンは完全にポンコツに見えてしまう。“『西部警察』で爆発・炎上させる用”にしか見えないでしょう。

ほった:『西部警察』で燃やしてたのは、半世紀近く前のモデルですけどね。

永福:その当時のBMWと比べても、今のほうが気品が増しているように見えるじゃないですか。爆発・炎上どころか、むしろ磨きたくなりますよ。この差はものすごい。もともと作りこみのレベルがすごく高いのを、代替わりごとにブラッシュアップしていくんだから、そりゃいいものになりますよね。

明照寺:「BMWに限らず、ドイツのメーカーは前のモデルのカタチを尊重して、改善させる方向で新型をデザインしますよね」
明照寺:「BMWに限らず、ドイツのメーカーは前のモデルのカタチを尊重して、改善させる方向で新型をデザインしますよね」拡大
初代から6代目までの歴代「3シリーズ」。先代から何が受け継がれ、何が変えられたのか、代替わりごとの進化がよくわかる。
初代から6代目までの歴代「3シリーズ」。先代から何が受け継がれ、何が変えられたのか、代替わりごとの進化がよくわかる。拡大
1975~1979年にかけて販売された4代目「日産セドリック」。『西部警察』では劇中車としてたびたび起用され、時に惜しげもなく爆破された。
1975~1979年にかけて販売された4代目「日産セドリック」。『西部警察』では劇中車としてたびたび起用され、時に惜しげもなく爆破された。拡大
1972~1981年にかけて販売された初代「BMW 5シリーズ」。
1972~1981年にかけて販売された初代「BMW 5シリーズ」。拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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