分水嶺になったクリス・バングル

明照寺:そういう流れを作れているから、ドイツ車のデザインはいいんですよね。日本車は、「さあこれから始めるぞ」ということになると、意気込みはすごく強いんだけど、どこか本質的な部分を忘れちゃってるところがある。BMWとかアウディとかメルセデスは、頑固なんでしょうね。

永福:守るものは徹底的に守る。

明照寺:ただ個人的には、クリス・バングル以前のBMWと、バングル以後のBMWとでは結構ちがう。そこに大きな分水嶺(ぶんすいれい)があるように思えます。以前はもう少し質実剛健的な雰囲気でした。

ほった:3シリーズで言うと、E46とE90の間ってことですかね?

明照寺:そうですね。もっと古いモデル、例えば初代3シリーズなんかは、「2002」から極端には変わっていなかった。その流れが続いていたところにバングルが来て、がらっと変わって、よりエモーショナルなデザインを目指すようになった。時代がそうさせたのかもしれないけど。

永福:うーん。ただ3シリーズに関しては、バングルが手がけなかったみたいなので、E90もとっても落ちついていたと思うんですが。永島譲司さんのデザインで。

明照寺:それはありますね。だからこそ3シリーズは、今もベンチマークとして認められているんだと思います。

(文=永福ランプ<清水草一>)

1992年から2009年まで、長年にわたりBMWのデザインをけん引してきたアメリカ人デザイナーのクリス・バングル氏。
1992年から2009年まで、長年にわたりBMWのデザインをけん引してきたアメリカ人デザイナーのクリス・バングル氏。拡大
「E90」こと5代目「3シリーズ」と永島譲二氏(当時)。
明照寺:「3シリーズも、この代で大きく変わりましたよね」
永福:「まぁそれでも、『7シリーズ』なんかと比べたら抑えが利いていたほうだと思いますが」
「E90」こと5代目「3シリーズ」と永島譲二氏(当時)。
	明照寺:「3シリーズも、この代で大きく変わりましたよね」
	永福:「まぁそれでも、『7シリーズ』なんかと比べたら抑えが利いていたほうだと思いますが」拡大
 
第33回:BMW 3シリーズ(前編)の画像拡大
明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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